『レヴィアさんに耳かきをされるだけのお話』
「あ……もうっ、遅いですよ!」
「お風呂から出たら、すぐに来てくださいって言ったじゃないですかっ」
「もう耳かきしてあげませんっ」
「…………ふふっ、冗談ですよ♪」
「そんな悲しそうな顔しないでくださいっ」
「はい、ひざまくら♪」
「早くしてくーだーさーいっ」
「ほら、早くっ」
「はーい、いらっしゃいませ〜♪」
「右耳からでよろしいですか?」
「はーいっ、それではお掃除しますね〜」
「よいしょ……」
「綿棒取ってと、はい、それではまずは耳のフチからですよ〜」
「あ〜っ、これは中々……あ、いえ、大丈夫ですよっ」
「ちゃんと綺麗にしますからっ」
「それでは、綺麗にしていきますね!」
「どう、ですか? 痛く……ないですか?」
「ふふっ、良かったです」
「耳のフチは、シャンプーの洗い残しなどが付いたままになりやすいので……」
「こうやって、綿棒さんで綺麗にしてあげる必要があるんですよ〜」
「くりくりくりくり〜♪」
「あ、もしかして……喋らない方がいいですか?」
「いえ……先程から耳かきが楽しくて」
「目障りではありませんか?」
「…………めざわりじゃ、ない? ふふっ、良かったです♪」
「それでは、何かのお話をしましょうかっ」
「そうですね……」
「あ、わたしですね、この前ですね!」
「自家製カレーパンを作ってみたんです!」
「自分でパンの生地をこねこね〜♪ こねこね〜♪ ってしたんですよ!」
「その中にカレーを入れて、カラッと揚げれば……」
「出来上がり〜♪ ですっ」
「ふふっ、今度ご馳走しますね」
「はい、それでは耳の中に挿れていきますねっ」
「動かないでくださいね?」
「んっ……あ〜! 大物が居ますよ!」
「カリカリってして、剥がしますね」
「むぅ……中々、手強い…………」
「かりっ、かり…………よし、取れたっ」
「ふふふっ、わたしの耳かきレベルならこのくらい余裕です♪」
「あ、はーい、続けますね〜」
「奥の方大丈夫ですか?」
「ここ、なんですけれども……」
「大丈夫ですか? それならくりくりしちゃいますね♪」
「くりくり〜♪」
「あっ……ごめんさい、大丈夫ですか?」
「強くやり過ぎてしまって……その、すいません」
「楽しくて、調子に乗ってしまいました……」
「怒って、ない? 本当ですか?」
「ほんとに、ほんとですか?」
「ふふっ、ありがとうございます♪」
「それでは最後に、白くてふわふわの梵天で、ふわふわ〜ってしちゃいますねっ」
「ふっわふわー♪」
「気持ちいいですか?」
「おめめが、とろーんとしてますよ♪」
「ちょっと可愛いですっ」
「あ〜! 照れてるんですかっ?」
「お顔が真っ赤ですよ〜?」
「……って、動かないでくださいっ」
「も〜っ、ジッとしててくださいって言ったじゃないですかー」
「ジッとしていてくれないのでしたら、反対側はやってあげませんよ〜?」
「ふふっ、ジッとしていてくださいね♪」
「はーい、それでは、反対側もしますねっ」
「はいっ、ごろーんって」
「あ、ちょっと! そんな所の匂いを嗅いだらダメですよっ」
「めーっ」
「も〜っ、いい子にしてないと耳かきしてあげませんよ〜?」
「……急に大人しくなりましたね」
「それでは左耳もしていきますねっ」
「髪の毛、耳にかけちゃいますね」
「…………くんくんっ、このシャンプーは、イシス女王がCMをしているものですよね!」
「わたしも同じシャンプーですよっ」
「ほら、嗅いでみてください♪」
「ねっ? 同じ匂いです!」
「いい匂いですよね〜聞いた話ですが、イシス女王ご自身で、香りを調合したそうですよ〜」
「あっ……話が脱線しちゃいましたね」
「耳かきしますねー」
「あ、その前に綿棒さんを変えちゃいますねっ」
「よいしょっと、ん〜、この子にしようかなぁ」
「はい、お待たせです♪」
「それでは、左耳もしていきますねっ」
「……今度耳かきをする時は、先に蒸しタオルで拭いてからの方がいいかもしれませんねー」
「はいっ、そちらの方が耳垢がふやけて、取りやすいと思いまして」
「あ、ご自身でやるときはふやけた状態でするのはダメですよ?」
「ふやけた状態ですと、耳垢を奥に押し込んでしまうことがあります」
「ですが、人にやってもらうのなら、大丈夫ですよ♪」
「はいっ、わたしが毎回やって差し上げますので安心ですね♪」
「それでは中に…………」
「………………」
「あ、いえ、耳に張り付いたのがありまして……」
「うーん、赤ちゃん用の綿棒を使いましょう」
「赤ちゃん用の綿棒っていうのはですねー」
「先の細い綿棒さんでして、通常の綿棒さんより、小回りが効くんですよ♪」
「はいっ、それでは挿れますね」
「ちょっと強めに擦りますが、大丈夫ですか?」
「いきますよ〜?」
「……むっ、よいしょっ…………んっ……もう……少しで」
「…………取れたっ」
「大丈夫でしたか? 痛くありませんでしたか?」
「気持ちよかった……って、何言ってるんですかっ」
「も〜っ、それでは続けますね」
「そういえば、近くの街に新しいカフェが出来たそうですよ」
「なんでも、クロワッサンが美味しいとか」
「あ、その……今度一緒にその、どうですか?」
「はいっ、楽しみですね♪」
「よし……っと、綺麗になりましたよ」
「では、こちらも梵天で仕上げますねっ」
「はーいっ、ふわふわ〜♪」
「この梵天は、小春さんに頂いたものなんですよ」
「かなりいい物だそうでして、有難いですよね」
「ふふっ、本当ですよね♪」
「はい、それでは終わりですっ」
「綺麗になりましたよ♪」
「また、耳かきさせてくださいねっ」




