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第30話『Unreality rule card』

 〜作者から〜


 今回はなぜか『カードゲーム』を題材にしてしまいました。遊戯○をモデルにはしていますが、説明文が多くなってしまったため、苦手な方はお気を付けください。


 「しょうがねぇ!付き合ってやるよ!」という方は最後までお楽しみください!








「ドラゴンで、オロチにアタック!」


 オフィスに入るなり魔王様から聞き慣れない単語が飛び出して来た。アタック?

 声のする方を見ると魔王様と、マリアがテーブルに向かい合い、何かをしているようであった。


「魔王様、何をしているんですか?」


「見て分からないの?『まおデスカードファイト』よ」


 魔王様はそう言うと1枚のカードの様なものを俺に見せてきた。なになに?



【ドラゴン】


「『ムカ着火ファイアー』1度だけこのカードのアタックを+2する AK8 DF0 」


 見せてもらったカードにはギャルドラゴンのイラストが描かれていた。ちょっと可愛い。

 しかし、これはなんだ?


「ドラゴンなのは分かりましたが、なんなんですかこれは?」


「だから、『まおデスカードファイト』よ」


 意味が分からない。この世界に来てから多くの事を学び、それなりの知識を得たつもりでいたがやっぱり意味が分からない。

 もう一度ドラゴンと書かれたカードを見てみるが、「可愛い」以外の事は分からない。

 そんな俺にレヴィアさんが何かの箱を差し出しながら、話しかけてきた。


「こちらは初心者向けのスターターセットです」


「スターター?」


「これ1つで、『まおデスカードファイト』が始められるんですよ」


 レヴィアさんから箱を受け取り、裏面の説明文を読んでみる。


【新発売!教会セット!これ1つで遊べるぞ!】


【このスターターで君のカードバトルはさらに加速する!】


「レヴィアさん、これはカードゲームなんですか?」


「そうですよ!今朝発売されたばかりなんです♪」


 ニコニコと楽しそうに笑うレヴィアさんは、デッキ構築に勤しんでいる最中のようであった。もう一度スターターセットに目を落とす。製造元は……『魔王城』


「って、これ魔王様が作ったんですか!?」


「そうよ、ターンエンド」


「会話エンドしないで、俺の話聞いてくださいよ!」


「後であなたとも決闘デュエルしてあげるわよ」


「仕事してくださいよぉぉぉお!!」


「今はこれが仕事なのよ、ほら」


 魔王様はそう言うと1枚のポスターのような物を見せてきた。そこに書かれていたのは……


【『まおデスカードファイト』全国大会開催決定!集え決闘者デュエリスト!】



「なんで、発売当日に大会開催が決まってるんですか!?」


「そんなに決闘デュエルしたいなら、レヴィアとしたらどう?」


「あ、ちょうど今デッキが組み上がった所です♪」


「なら、ちょうどいいわね。」


「え、これ俺もやる流れなんですか?」


「あなたも大会にエントリーしておいたわ」


「なんで勝手にしちゃうんですか!?」


「ほら、女の子を待たせちゃダメよ」


 魔王様に促され俺は渋々レヴィアさんの目の前に座る。レヴィアさんはというとご機嫌な様子でデッキをシャッフルしていた。


(仕方ない、付き合うか……)


 俺は先程渡されたスターターセットとやらを開封し、ルールブックを手にする。


【お互いのHPは20で、先に相手のHPを0にした方の勝ち!】


【召喚は1ターンに一度のみ可能!】


【相手のカードが場に無ければプレイヤーにダイレクトアタックが出来るぞ!】


(どこかで見た事のあるルールだな…)


 俺はスターターセットから『教会デッキ』とやらを取り出す。ドラゴンのカードが光っている。可愛い。

 対面のレヴィアさんは待ち切れない様子で、準備オーケーのようだ。

 俺もカードを念入りにシャッフルし、テーブルに置く。


「では、初めてますね。ルール説明も兼ねてわたしが先行でよろしいでしょうか?」


「構いませんよ」


「まずターンの始めに、デッキからカードを1枚引きます。これがドローです」


「ドロー!」


「あ、今はわたしのターンなのでカズキさんはドローしないでくださいね」


「分かってますよ」


「そして、1ターンに1度召喚が出来ます。わたしは『カズキ』を召喚しますね♪」


「はぁぁぁぁぁあ!?」


 レヴィアさんが出したカードには確かに俺の名前が書かれており、映画のワンシーンを切り取ったような見事なイラストが描かれていた。正直カッコいい。

 決闘デュエルが終わったのか、隣に魔王様が立ち解説を始めた。


「そのカードはこの間の映画のワンシーンをモデルに、イラストを描いてもらったのよ。神龍に」


「神龍様に描いてもらったんですか!?」


「『カズキ』はレアリティも低いし、能力も低いカードなのだけれど、様々なサポートカードを使う事で強化出来るのよ」


「は、はぁ…」


「わたしは環境を取ると思っているわ」


「いや、これ魔王様が作ったカードゲームですよね!?」


 魔王様は俺の反論を聞いていないのか、自身のデッキを眺めていた。

 レヴィアさんはというと、こちらを待っていてくれていたようで次の説明をしてくださる。


「召喚されたカードは1ターンに1度だけ攻撃が出来ます。ですが先行のプレイヤーは攻撃が出来ません」


「出来ると無条件でダメージが入ってしまいますもんね」


「その通りです。わたしはカードを1枚伏せてターンエンドです」


「伏せるってなんですか?」


「あ、これはですね!召喚出来るカード以外のアビリティーカードを伏せる事で相手のターンにも使えたりするんですよ♪」


「なるほど、攻撃を妨害出来たりするわけですね」


「あたりです!次はカズキさんのターンですよっ」


 レヴィアさんの言う通りに俺はデッキからカードを1枚引く。

 引いたカードは『ドラゴン』のカードであった。光ってるし、強そうだしコイツでいいか。


「俺は『ドラゴン』を召喚します!」


「カズキさん、『ドラゴン』でアタックしますか?」


「もちろん、アタックだ!」


「『ドラゴン』は1度だけ攻撃力を+2出来るアビリティがあります。どうしますか?」


 レヴィアさんに言われた通りに『ドラゴン』のテキストを読んでみると、その様な事が書かれていた。

 このゲームでは召喚されたカードにアタックした際に、こちらのAKがあいてのAKを上回っていた場合、その数値の差がダメージになるらしい。


(AKが高い方が、ダメージも入るしな。使うか)


「『ドラゴン』のアビリティを使用して『カズキ』にアタックします!」


「あ、先程伏せたカードを発動しますね」


 レヴィアさんは先程伏せたリバースカードを表向きにする。そのカードの効果は……



【前魔王のローブ】


『このカードは『カズキ』か『かあさん』が場にいる時のみ発動可能。相手のアタックを無効にし、そのAKの半分の数値を相手HPに与える』


「レヴィアさんズルい!」


「あわわ、ごめんなさいっ」


 そう謝ってはいるが『ドラゴン』のAKの半分上乗せした+2を含めると10の半分、5が俺のHPから減ってしまった。


 カズキ HP20→15


「ターンエンドです」


「では、わたしのターンですね!ドロー!」


 目をキラキラさせてカードを引くレヴィアさん。ちょっと可愛い。レヴィアさんは予め決めていたかの様に手札からカードを発動させる。


「手札から『ヨッホイ』を発動します。」


「その効果によりデッキから『ヒノキのぼう』と名のついたカードを一枚手札に加えます」


「わたしは『ヒノキのぼうmark2』を手札に加え、『カズキ』に装備します!」


「さらに、『ヒノキのぼう』も『カズキ』に装備します!」


「『カズキ』で『ドラゴン』にアタックです!」


「レヴィアさん、『ドラゴン』の方がAKは上ですよ?」


「『カズキ』のアビリティを発動します!『ヒノキのぼう』並びに『ヒノキのぼうmark2』を装備している場合このカードAKを16にします!」


「な、なんだってぇ!?」


「さらに、手札を1枚墓地に送り速攻カード『無限アンリミテッド時間タイムワークス』を発動します!」


「俺は発動出来ないのにぃ!?」


「このカードの効果により、『ドラゴン』と戦闘を行わずにカズキさんに『カズキ』でダイレクトアタックです!」


 HP15→0


「ややこしい感じで負けた!」






 *






「どうかしら、『まおデスカードファイト』」


「俺までカード化されていた事にはビックリしました」


「来週には新弾も出るわよ」


「早すぎませんか!?」


「わたしも入っているわよ」


 魔王様はそう言うと「タブレットPC」の画面を俺に見せてくる。そこにはデフォルメされた2頭身の魔王様が描かれていた。

 ほっぺたが少し「ぷくぅ」としていてとても可愛らしいデザインだ。効果は……


「このカード効果が書いてないですね」


「当てた人だけのお楽しみよ」


「じゃあ、発売されたら分かるんですね」


「それはどうかしら?」


「え……」


「そのカードは世界に1枚だけよ」


「とんでもねぇ、レアカードだった!?」


「3枚ある神のカードの1枚にして最強のカードよ」


 魔王様はそう言うと「タブレットPC」の画面を再びスライドし『神のカード』とやらを見せてくれた。



【かあさん】


『【無限アンリミテッド時間タイムワークス】手札を1枚墓地に送り、相手プレイヤーにダイレクトアタックが出来るAK10DF10』



「……ってかあさんかよ!?」


「『カズキ』とは違って最初から無限アンリミテッド時間タイムワークスを搭載しているわ」


「これ、2回攻撃出来たら勝ちですよね」


「代わりにコストが高いのよ」


 確かに魔王様の言った通り、『かあさん』は出すのが難しそうであった。『神のカード』と言うだけの強さはある。

 となると最後の1枚は……


「最後のカードは神様ですか?」


「当たりよ」


 魔王様はそう言うと今度は画像ではなく実物のカードを俺に手渡してきた。先程の『ドラゴン』に比べかなり輝いているカードだ。効果は……



【神様】


『このカードは召喚したターンにはアタック出来ない。【反射】このカードに対する全てのダメージを反射し相手にその数値のダメージを与える。AK20DF20』



「出したら勝ちじゃないですか!」


「そうでもないわ。『かあさん』に比べ、さらに出し難い上に【無限アンリミテッド時間タイムワークス】なら突破可能よ」


 確かに、相手のライフに直接ダメージを与えられる【無限アンリミテッド時間タイムワークス】なら『神様』をスルーしてダメージを与えられる。


 これらのカードを上回る『魔王様』のカードはどれほど強いのだろうか?

 しかし、世界に1枚しかないのなら関係ない話だろう。

『神様』のカードを興味深かそうに眺めていると、魔王様が自らのデッキを取り出し告げる。


「さぁ!大会に備えて特訓よ!」


「俺は出ませんからね!」







 どうなる『まおデスカードファイト』続くのか?



「続けちゃダメだろぉぉぉぉぁぉお!?」





セーブしますか? ▼


▶︎はい

 いいえ


▷はい

 いいえ


セーブがかんりょうしました! ▼





〜カード解説とか〜



基本的には遊○王だとお考えください。



【カズキ】


『【ヒノキのぼう】【mark2】を装備した場合AKを+5する。AK1 DF1』



【ヒノキのぼう】


『【カズキ】のAKを+5する』



【mark2】


『【カズキ】のAKを+5する』



無限アンリミテッド時間タイムワークス


『【カズキ】が場にいる時のみ手札を1枚墓地に送り発動可能。【カズキ】は相手プレイヤーにダイレクトアタックが出来る』




【ま〜ちゃん】


『最強のカード。効果は不明。出したら勝ちらしい。』



〜デッキタイプ的な〜


『カズキデッキ』


『カズキ』を中心としたコンボデッキ。低レアリティのカードが多いため初心者でも作りやすい。



『教会デッキ』


HPを回復するカードが多い耐久向けのデッキ。主力アタッカーの『ドラゴン』が強い。





〜登場人物〜



【カズキ】


カードでは無限アンリミテッド時間タイムワークスを使える。『ドラゴン』が結構お気に入り。



【魔王様】


コンボとかは考えずに好きなカードで楽しむタイプ。



【レヴィアさん】


かなりの『カズキデッキ』の使い手。日夜『カズキ』のカードを眺めてはニコニコしている。



【マリア】


結構楽しんで遊んでいる。運はいい方。



【小春ちゃん】


札束デッキ。金の力で戦う。



【作者】


先行ドロー世代。お気に入りのカードは、ブラック・マ○シャン・ガール。

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