第10話『超時空魔王ラジオ!』
「ねぇ、最近インターネットも普及してきたことだし何か出来ないかしら?」
今日はクリーム色のブラウスを着こなす魔王様が魔王にあるまじき発言をしているが、それ相応なく対応する。
「何か、とは?」
「人間世界でも動画投稿サイトや、SNSと呼ばれるものが流行っているじゃない?」
「そうですね」
「異世界グラムはいい感じだけれども、もっと私達の仕事や、行いを多くの人に知ってもらえればより活動しやすくなると思うのよ」
「なら、動画投稿サイトも作るのはどうですかね?」
「それは計画中なの、もうしばらくかかるわ」
となると他に、多くの人に楽しんでもらえるものとなると……
「ラジオ……なんてどうですかね?」
「採用」
*
––––ON AIR––––
マリア「はーい始まりましたわよ! 超時空魔王ラジオ! マリアですわ!」
レヴィア「こんにちはレヴィアです♪」
魔王「魔王のま〜ちゃんでーす」
カズキ「貴女そのキャラでやるつもりですか!? 魔王様の部下のカズキです!」
全員「『よろしくお願いしまーす!』」
魔王「早速だけどおハガキが届いているわね」
カズキ「本当に早速だな!?」
魔王「読むわね。『こんにちは、いつも楽しく聴いております』」
カズキ「今日が初回だから!!」
魔王「『質問なのですが、漫画を描いたので面白いかどうか見てください』とのことよ」
レヴィア「魔王様、中に原稿が入っていますよ」
魔王「本当ね。さっそく見てみましょう」
魔王「『雅さん、お口にクリームが付いていてよ?』」
カズキ「音読するの!? っていうかこの内容……」
マリア「ペンネーム「神龍」さんからのお便りでしたわ!」
カズキ「やっぱりね!!」
レヴィア「魔王様、もう1通おハガキが届いているようですよ」
マリア「そもそもハガキの募集なんてしたのかしら? わたくし知りませんわよ」
魔王「わたしも知らないわ」
レヴィア「わたしもです」
カズキ「誰も知らないのかよ!? 勝手に送って来たのかよ!?」
レヴィア「カズキさん、少し落ち着いて。ほら、ヒッヒッフー」
カズキ「それするの俺じゃないだろ!?」
魔王「それじゃあハガキを読むわね」
カズキ「無視かよ!?」
マリア「少し黙ってくださるかしら?」
カズキ「……………」
マリア「何かしらその目は。ほら、魔王様おハガキを読んでくださいな」
魔王「それじゃあ読むわね『今から行きます! みたいなっ』」
神様「ちーすっ! ま〜ちゃんおひさ〜!」
カズキ「なんで来るんだよぉおおおお!?」
神様「いやさ、なんか面白そうだったからさ〜!」
レヴィア「明美さん、お久しぶりです」
神様「お〜! レヴィアたん久しぶり〜! 今日も可愛いね〜!」
レヴィア「あ、いえ……そんなっ、そんなことないです!」
魔王「それで、あっちゃんは何をしに来たわけ?」
神様「いや、面白そうだから来ただけだけど?」
カズキ「………………」
マリア「………………」
レヴィア「つ、次のコーナーに参りましょう!」
魔王「そうね、じゃあ占いでもしようかしら?」
カズキ「それって……血液型とか、星座とかですか?」
魔王「それもいいけど、あっちゃんも居ることだし、彼女にお願いするわ」
神様「占いね、いーよ、いーよ! やってあげるよー!」
魔王「カズキくん、いい機会だから占ってもらいなさい」
カズキ「は、はぁ……それじゃあお願いします」
神様「まずね、この放送の後に梅干しを食べるね」
カズキ「なんか、リアル! そしてなんで梅干し!?」
神様「晩御飯は味噌煮込みラーメンだね」
カズキ「そう、ちょうど食べないな〜って思ってた」
神様「ラッキーアイテムは、ヒノキのぼうだね」
カズキ「なんでやねん! ただのぼうじゃないですか!」
神様「それでは、今日もお元気に〜!」
カズキ「朝の占い番組かよ!」
神様「じゃ、あーし帰るねっ」
魔王「また、電話するわ」
レヴィア「また、いつでもいらしてくださいね♪」
神様「じゃねっ☆」
マリア「………………」
カズキ「本当に、何しに来たんだか……」
レヴィア「魔王様、そろそろ終了のお時間ですよ」
魔王「じゃあ、カズキくん締めて」
カズキ「俺がですか!?」
マリア「ほら、早くしてくださいな」
カズキ「えーと、えーとそれではまた次回、さよならー!」
魔王「えっ、またやりたいの?」
カズキ「フラグ立てちゃった!?」
セーブしますか? ▼
▶︎はい
いいえ
▷はい
いいえ
セーブがかんりょうしました! ▼
魔王「好評ならまたやるそうよ」
カズキ「喉が……痛い」
レヴィア「カズキさんのど飴をどうぞ」
カズキ「ありがとうございます、レヴィアさ…………これ梅干しだから!!」
〜登場人物〜
【カズキ】
ツッコミに目覚めつつある、ツッコミ戦士。
【魔王様】
実は結構楽しんでいた。
【レヴィアさん】
梅干しは、とある先輩から貰ったもの。
【マリア】
いまいち乗り切れていなかった模様。
【神様】
占いではなく、予言。