『番外編その30!』
『運転』
魔王「イシぽよは現地に移動魔法で来るそうよ」
カズキ「俺たちはどうしますか?」
魔王「そうね…………車で行きましょうか、マリアもいる事だし」
カズキ(……ってなると4人乗りか、いつもの車は2人乗りだから使えないな)
魔王「たまにはわたしが運転してあげるわ」
カズキ「魔王様運転出来たんですか!?」
魔王「当たり前じゃない、はい、乗った、乗った」
カズキ「じゃあ、自分が助手席に」
レヴィア「では、わたしとマリアさんは後ろに乗りますね♪」
マリア「はーなーしーて、くーだーさーいーな!」
カズキ(頑張れ、マリア)
*
カズキ(ヤバい、自分で運転しないと酔うかも……)
魔王「はい、じゃあ出発〜♪」
カズキ(…………エンジンの音がしない、ハイブリッドカーだからだろうか…………って!)
カズキ「魔王様! ハンドル! ハンドル握ってください!」
魔王「何故かしら?」
カズキ「曲がるときどうするんですか!?」
魔王「こうよ」
まおうは じゅうりょくまほうをとなえた! ▼
カズキ「はぁ––––––––––––!? 車浮いてるんですけどぉ!?」
魔王「これなら、乗り物酔いしないでしょ?」
カズキ(だから、エンジン音がなかったのか……)
『かっけぇ』
カズキ(やべっ、遅刻だ!)
カズキ(確か、今日は魔王城を見学にくる子供達を案内する予定だったはず……)
カズキ(オフィスに顔を出そうと思ったが、時間がない)
カズキ(直接、子供達が集まっているはずの正面玄関に向かおう)
*
カズキ「よし間に合っ…………アレは、小春ちゃん?」
カズキ(何をしているのだろうか?)
小春「……いくで〜? オーダー無限時間〜!」
子供達『小春ちゃんかっけー!』
小春「せやろ〜?」
カズキ「………………」
カズキ(よし、俺も……)
カズキ「ふははははははっ! 待たせたな! 我は宵闇の魔王、時の支配者!」
子供達『よ、よいやみのまおーだ! かっけぇー!!』
カズキ(やばい、結構楽しい)
小春「時の狭間は等に過ぎておるぞ、宵闇の魔王」
カズキ「…………へっ?」
小春「若き天使達を退屈させるとは、聖痕を汚すに等しい」
カズキ「………………」
カズキ(何言ってんのこの人!?)
小春「しかし、我は災厄の終焉を見届ける必要がある」
カズキ「…………は、はぁ」
小春(子供達のお昼ご飯は、うちが用意しとくさかい)こそっ
カズキ(あ、あぁ、分かった)こそっ
小春「また会おう、宵闇の魔王」
子供達『小春ちゃんかっけー!!』
カズキ(…………俺が遅刻したから、子供達の相手をしてくれていたのかな)
カズキ「………………」
カズキ「では、馳せ参じよう、まずは魔王が座す座標へと向かう、この先は危険だ、心して付いてくるがよい」
子供達『よいやみのまおーかっけー!!』
カズキ (超楽しい)
『シャンプー』
レヴィア「魔王様、かゆい所はございませんか〜?」
魔王「まるで美容院ね」
レヴィア「ふふっ、そうですね♪」
魔王「ねぇ、レヴィア」
レヴィア「なんですか、魔王様…………あっ、ひょっとしてシャンプーが目に染みてしまいましたか?」
魔王「大丈夫よ」
レヴィア「それでは、なんでしょうか?」
魔王「レヴィアって髪の毛を洗うの上手よね」
レヴィア「指の腹で、あまり力を入れずに洗うのがコツなんですよ〜」
魔王「他にもコツってあるのかしら?」
レヴィア「そうですね…………シャンプーはよく泡立ててからとか、シャンプーをする前にブラッシングをするなど色々あるのですが……」
魔王「ふむふむ」
レヴィア「1番大事なのは、耳です」
魔王「へっ? 耳?」
レヴィア「耳って結構、シャンプーの洗い残しなどが残ってしまう事があるので、ちゃんと洗い流す必要があるんですよ〜」
魔王「なるほどねぇ」
レヴィア「あ、流しますね」
魔王「お願い」
勇者(………………百合の香りがするわ!)
リリィ(なぜ、勇者さんがいるのでしょうか?)
おわりデス!