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第74話『制服テール』



「今日は、竜王が打ち合わせに来るそうよ」


 魔王様が今日の予定を通達する所から、本日のデスクワークが始まる。

 竜王とは以前ちょろっと復活して、世界"制服"計画を企てたお方だ。

 なんでも神様が、気晴らしに復活させてあげたらしい。全く、フリーダムゴッドにも程がある。

 そんな、竜王は現在神様の所で厄介になっているらしく、本日仕事の打ち合わせということでこの魔王城に凱旋されるようである。

 会議室で待ち合わせとのことで、俺は魔王様に続き会議室へと向かう。


「魔王様、その竜王……さん? ってどんな方なんですか?」


「ノーコメント」


 魔王様の言葉が気にはなるが、会議室の扉を開き中に入る。

 するとツインテールの美少女が大きな瞳でこちらを見ていた。


「久しいな、勇者に魔王」


「俺は勇者ではありませんよ」


「違う、後ろのデカパイが勇者だ」


「相変わらずね、チッパイ」


 魔王様が、デカパイと言われた事に腹を立てたのか、ちょっと嫌味たらしい小言を口にする。

 でも、魔王様が勇者と言うことは……


「俺が魔王かよ!」


「貴様は、宵闇の魔王なのだろう? どうだ、わたしの物にならぬか? 世界の半分をやるぞ?」


「いらん」


「淫乱? ほぅ、英雄色を好むと言うが宵闇の魔王はそちらの方が––––」


「ちょっと! あなたチッパイの癖に生意気よ!」


 魔王様が竜王が喋り終わる前に、またもや小言を口にする。よっぽど、デカパイと言われたのを気にしているのだろうか? 事実なのに。

 竜王は世界"制服"を掲げていることもあり、セーラー服の似合う、見事な美少女であった。

 綺麗に整えられた"あざとい"ツインテールに、紺色のセーターを萌え袖にして着用。さらにニーソックスは薄っすらと生足が透けるすべすべとした質感の物を使用していた。

 魔王様の言う通り、チッパイだが。


「失礼します、コーヒーをお持ちしましたよ♪」


 レヴィアさんがにこやかに会議室の不穏な空気を破り、入室して来た。

 慣れた手付きで、コーヒーを配るとこれまたにこやかに「失礼しましたー♪」と言い、会議室を出て行った。

 コーヒーが到達したのもあり、魔王様が話を切り出す。


「それで、なんの用なの?」


「うむ、実は世界"制服"計––––」


「却下」


「相変わらず、忙しないのぉ」


「どうせ、わたしに制服を着ろと言うつもりでしょ?」


「流石は歴代最強の勇者、褒美に制服をやろう」


「いらないわよ!」


 魔王様が断ったことで、今度は俺が質問をされる。


「宵闇の魔王はどうだ? 欲しいだろう?」


「要らないです」


「そういえば、イシス国の女王も……」


「ください」


 カズキは せいふくを てにいれた! ▼


「ちょっと、カズキくん!」


 魔王様に、睨まれるが気にしないことにした。

 制服はブレザータイプの物であり、かなり上質な生地を使っているのか肌触りもいい。

 竜王は制服の眺める俺を見ながら、さらに誘惑をかける。


「どうだ、イシス女王の制服姿見たくはないか?」


「はい」


「ならば、わたしのものになれ、世界の半分をやるぞ」


「世界はわたしのものよ!」


 魔王様がガキ大将みたいな横槍を入れる。だが、それは事実であり、真実だ。

 この世界を統治しているのは魔王様に他ならない。

 しかし、竜王は気にも止めてないご様子でスマホを取り出し、とある島を俺に見せてきた。


「綺麗な島ですね」


「スカー島だ」


「ダジャレかよ! 世界の半分って制服の半分のスカートの部分かよ!」


「この島の絶対領域には立ち入ってはならぬぞ」


「ちょっと、興味あるかも」


「カーズーキくん?」


 魔王様がとても、とても怖い顔をしているので、「冗談ですよ」と取り繕う。

 竜王はニーソックスを包まれた綺麗な脚を組み替える。


「ところで、この城も随分と様変わりしたものだ」


「あの頃はかなり荒れてたものね」


 魔王様の発言に竜王は昔を思い出すかのように、上を見上げる。


「す〜ちゃんは元気か?」


「えぇ、相変わらずよ」


「竜王……さんは、す〜ちゃんの事を知っているのですか?」


 なんとなく「さん」を付けて質問をする。竜王さんはコーヒーを飲み一息置いてから質問に答える。


「あぁ、彼女はわたしの師匠なのだ」


「す〜ちゃんぱねぇ!!」


「その、す〜ちゃんを従えているとは、やはり宵闇の魔王只者ではないな?」


「"只"の魔王様の部下の"者"です」


「勇者も、随分と大きくなった」


「どうせ、胸がとか言うんでしょ」


 魔王様の発言に対し、竜王は「いいや」と話を続ける。


「人として、随分と大きくなったものだ。怒りっぽいのは相変わらずだが」


「わたしが? 怒りっぽい?」


「勇者の家に忍び込んで衣服を全て制服にしたら、怒りの形相で魔王城に乗り込んできたではないか」


「そんなの、誰でも怒るわよ!」


「あけぽよは喜んでいたぞ?」


「あっちゃんは、そういう子なのよ!」


「この髪もあけぽよにしてもらったのだ」


「似合ってるわよ!」


「あけぽよは勇者と違って、優しいから好きだ」


「わたしが優しくないみたいに言うのはやめなさい」


「わたしのお尻をヒノキのぼうでペシペシしたではないか」


「あなたが、悪いんでしょ!」


「そんなに制服が嫌いか?」


「やり方が、露骨過ぎるのよ!」


「なに、露出だと? 分かった、勇者のは露出が多いデザインにしてやろう」


「ろ、こ、つ、よ!」


 竜王は諦めたのか、溜息を付きながら不満を口にする。


「勇者よ、そなたは間違いなく制服が似合う逸材なのだぞ? なぜ拒む?」


「だって、似合わないし」


 魔王様も溜息をつきながら否定する。俺は魔王様の胸をチラッと見ながら、意見を述べてみた。


「そんな事ないですよ、魔王様。魔王様のスタイルなら何を着ても似合いますよ」


「ほ、本当?」


「スーツも、ワンピース姿も、甲冑を着ているお姿もとても素敵でした」


「もらうわ、制服」


まおうは ブレザーと セーラーふくを てにいれた! ▼





セーブしますか? ▼


▶︎はい

 いいえ


▷はい

 いいえ


セーブがかんりょうしました! ▼



〜当時人物〜


【竜王】


以前から可愛い、可愛いと言われていた竜王。制服の似合う美少女。黒髪をツインテールにまとめており、大きな瞳が可愛らしい。

今は神様の元で働いている。

今日はセーラー服に紺色のセーターを着ていた。ブレザーも持っている。

絶妙な絶対領域に、計算しつくされた萌え袖。制服王。

身長は157cm、ブラのサイズは内緒。




【す〜ちゃん】


魔王城が出来た時から、魔王城勤務の大ベテラン。

今日のお仕事は、レヴィアさんに抱っこされてモミモミされること。柔らかくて気持ちいいらしい。

レヴィアさんが妙にご機嫌だった理由。




【魔王様】


こっそり制服を着たら、胸が苦しかったらしい。

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