第2狩.生ける屍
「お頭〜これなんか硬いですよ!」
そう言って作業服を着て工事用の電動ドリルで10メートルぐらい掘った彼はそう言った。
「な訳あるかよ、仕入れたばっかの新型ドリルだぞ!」
そう言って仕事中なのに酒を飲んで顔が少々赤く煙草を口にいる40〜50歳のお頭と呼ばれる中年太りしたおじさんが酒臭い息を吐いて来た。
「お頭、酒臭いっす…」
彼はそう言うと同様に鼻をつまんだ同年代の従業員は一同に頷いた。
「うるせー、鼻栓でもしとけ!俺は酒をのまねぇとやる気がでねぇから仕方ねぇんだよ!」
そう半ギレ気味に言った訳だがこれは喧嘩してるわけでもない。いつもどおりからかっている様なものだ。
すると掘りかけの穴から「…て」と声が聞こえた。
するとそこにはさっきまでだれもいなかった筈だがいつの間にか穴の下から此方を覗く目が見える。
「おい、人が埋まってるぞ!掘り起こせ!」
「は、はい!」
そう言ってスコップでそれを掘ったがそこには何も無かった。代わりに刺客袖剣が転がっている。
「何だこれ?」
お頭はそれを掌に拾い上げた。そしてじーっと見ているといつの間にか周りが急に異常なほど静かになったのを初めて知った。
「おい、お前らどこ行った?」
キョロキョロ辺りを見回すがだれもいない。
「返して…」
筈だった。
「あ」
思わず声を漏らした時には心臓に刃物を刺されていた。
自分を差す輩は深いフード付きのマントを身体に包ませて体を隠している。
マントにはかすかに土がついてそして微かな女性特有の甘ったるい香りが鼻を刺激した。
意識はそこで途絶える。
その場所の名は浅草2番商店街。




