アイの部屋
アイの部屋
そして、喫茶ラーニンを後にして、ジェイの家へと向かった。
電車に乗って、みんなが忙しく出勤してる中、ふたりは、楽しげな恋人同士であった。
家を見て、アイはびっくりした。おおきな2階建ての新しい立派な家だったのだ。
門の柱の上には、石で出来た両刃剣を持った猫の像が置いてあった。
「この猫は、なに?」
「ああ、これは、厄除けというか、招き猫ではなく、守り猫だね。剣を持って家を守るというところかな。
父の趣味だよ。父からもらったんだ。特に意味はないんだよ。」
「これからは、ここがアイの家だ。そして、ぼくとアイの城だよ。
ここは、ぼくひとりだけで、親は、別に住んでいるんだ。
どうぞ、アイの家へ。」
ジェイは、ドアを開けて、アイを先に入れてくれた。
シンプルな装いの家の中だった。
「先に、アイの部屋を見せよう。」
中に入って、アイは、びっくりした。
「ひろいわ。すごい。ここに来て。、びっくりばかりね。
これ、全部使っていいの、!?」
「ああ、いいよ。
悪いけど、ここは、僕らの活動拠点としても使おう。いいかい。」
「いいわよ。ジェイの家だから。」
「この家の各部屋は、鍵がかかるから、この家の全部が空く合鍵を渡しておくよ。」
そして、一つの鍵を渡してくれた。
「ありがとう!、それで、聞いておきたいんだけど、おとうさんは、何をやっているの。こんなすごい家をあげるなんて。」
「まあ、父もすごい人だけど、この家は、僕が造ったんだよ。自分の金でね。」
「嘘でしょ。」
「いや、嘘じゃない。」
まだ、ジェイは、25歳であった。
大学出て、そんなに経ってないのに、、こんなすごい家を買うとは、それに喫茶店も持っていて、専属の弁護士がいる。
アイには信じられなかった。
アイは、ジェイが大学を出ていると思い込んでいた。
まあ、前の世界では、城を持っていたから、不思議ではないといえば、そうなのだが、あれは、親から譲り受けたものだ。そのようにアイは思っていた。