ジェイとアイの城
ジェイとアイの城
朝、起きたアイは、ジェイと起きたばかりの顔で会うのは、嫌だった。
ひとりで寝た部屋から、出る前に、持って来た化粧道具をバッグから出して、化粧をして、出て行った。
いい匂いが、部屋の中にしていた。カウンターのなかで、ジェイが何か作っていたのだ。
「おはよう、アイ。」
「おはよう、ジェイ。何か作ってくれてるの。」
「ああ、カウンターに座ってくれ。今ちょうど出来たところだ。はい、どうぞ」
「ピラフ。朝からピラフ。いいわね。
昔というか、あっちでも、よく作ってくれたわね。」
「ああ、君が有る意味で、怖かったというか、愛していたからね。」
「怖いというのは、アイがいなくなるんじゃないかと。ああいう所だったからな。
だから、いつ、どちらが死んでも、悔いが残らないように、アイが喜ぶことなら、何でもしようと、思っていたんだ。」
『ありがとう。わたしもそうよ。おなじよ。
わたしが、嫉妬して、無茶苦茶、暴れた時、抵抗しないで、許してくれた。
今回のことみたいになった時、わたしに言い寄ってきた男を、わたしは許せなかった!あの時もジェイの事しか頭に無かった。この男のせいで、ジェイとダメになったらと思った瞬間、もう手がでていた。
あの時、ジェイが来なかったら、半身不随にしていたかも。男の腕を折ったぐらいで済んから、よかった。でも、その時は、剣は使わなかったわよ。』
『でも、これは、ジェイを愛してるから。わたしもジェイがいなくなったらと思ってた。
この世界では、考えて行動するから、心配しないで。』
『ああ、あの殴られた時は、すごかったな。でも大丈夫だ。俺は殴られ強いし、格闘術は完璧だ。
でも、あいつらは、人間じゃない。勝つために、やれることは何でもやらないと。
アイ、いっしょに強くなろう。
そろそろ、俺の家に行こう。いや、おれとジェイの城にいこう。』