アイとジェイ 最初の夜
アイとジェイ 最初の夜
アイは、自分の家に電話をし、今日のことの次第を話した。両親は、ホッとした様子で、すぐ帰ってくるように言ったが、アイは、友達のところに泊まることを、異を受け入れないという物言いで告げた。
アイは、自分の家族のことなどを話した。普通の家で、金持ちでもないといううことを強調した。
ジェイにしてあげられることは、自分にはあまりないということを分かってもらいたかった。
『ジェイに、わたしは物質的に、してあげられることは何もない。でもね、力は、これでもわかるように、全部持って来たわ。それと、愛情もね。絶対にこの世界でジェイを守る。いっしょに老いるまで生きよう。』
『アイ、ありがとう。気持ちだけで、うれしい。俺もアイを守る。物の助けはいらないよ。うちは裕福なんだよ。父はすごい人だ。あっちの世界でも、生きていけるぐらいの人だよ』
「ジェイ、もう寝よう。わたし、どこに寝ればいい?」
「ホテルでもいいけど、アイがここで良ければ、裏の方に寝ていいよ。ベッドもあるし。
ぼくはここでねるから。ここで寝るのは慣れてるから、気にしないで。」
「言葉に甘えて、じゃ、そうする。裏に行くね。じゃキスしてから寝よう。」
「アイ、歯磨きをいっしょにしてから寝よう。」
そして、いっしょに歯磨きして、キスをして、それぞれ別々に寝た。
ふたりは、結婚を正式に、親の許しを受けて行うまで、いっしょに寝ることはしないという意思を持っていた。これには、前世での記憶がそうさせていたのと、この世界への義理であった。