続 喫茶ラーニン
続 喫茶ラーニン
青いジャンパーの男は、アイの前の彼氏サトルであった。
そして、このビルの一階の外に、アイの妹のアミがたたずんでいた。
アミは、サトルがアイと仲良く付き合っていたとき、よく家にに来て、アミともよく話していた。
そのためサトルには親しみを持ち、アイとサトルのことを応援していた。
この二人が分かれたのを知ったとき、姉から別れを言い出したという事を知り、別れの訳に納得出来なくなかった。
サトルは、アイが好きになった相手と話をしようと思っていたが、なかなか分からないままだった。それはそうである、まだその相手であるジェイは、アイのこころの中だけにいたのであるから。
そこで、サトルは、妹のアミに、アイがその相手に会うような時に、教えてくれるように頼んでいた。
そして、仕事を休んだことがない姉が、休みをとって、誰かと会うみたいだということで、これは彼と会うのでは、と思い、アミはサトルに知らせたのだった。それで、連絡を受けたサトルは、アイの後をつけてきたのであった。
二人の前に立ったとき、アイは、なんと彼とキスをしていたのだ。それを見たサトルは、どうにもならない怒りが吹き上がり、カウンターにあったナイフを手にしていた。
怒りのままに、二人を刺そうとしたが、もう彼の前にはジェイが立っていた。
そこで、サトルは、怒りのままにジェイに向かって 、ナイフを刺した。。脇腹のあたりから血が流れているのを、サトルは見て、ナイフを抜こうとしたが、ジェイがその手を掴んでいて、すごい力で掴んでいて、身体さえ動かせなかった。
店にいたお客たちは、これはただ事ではないと知り、口々に何ごとか叫びながら、我先にと店から出始めていた。
ジェイは、血を流したまま、サトルの腕をしっかりと掴んだまま、ウエイターに大声で叫んだ。
「警察を呼べ。」
『ジェイ大丈夫?』
『大丈夫だ。怪我は大したことはない。アイの元彼は動けなくしている。声も出ないはずだ。
おれは、警察と病院にいくことになる。でだ、アイはここの店で待っていてくれ。
妹さんが、これには、かんでいる。この前、君のこころに入ったとき、妹さんのことが気にはなっていたんだ。悪気はないと思うが、厄介なことになりそうだから、アイは家を出て、おれの家の別々の部屋で一緒に暮らそう。一緒の部屋で暮らすのは、結婚してからにしよう。
この世に、生まれ変わって、新しい体で、新しい家族を持ったのだから、この世界と正しく生きていこう。』
『わたしも、それには賛成。アミのことを考えると、複雑ね、でも、いま出ないと駄目かな。』
『アイも、僕らが一緒に殺されるところを体験しただろう。あのとき、剣を突き刺されたとき、あいつが、おれに言ったんだ、また会おう、と。それはないだろうと思った。
しかし、よくよく考えると、あのようなとき、冗談を言えるようなときではない。
それでよく考えたんだ。
アイと僕は男と女、あの二人も男と女だった。そして、僕らは愛し合っていた。あの二人も愛し合っていた、としたら?
それと、僕らと同じ願いを持てば、考えられないことではないということだ。
奴らに今あったら、同じことの繰り返し。勝てる相手ではない。
あのときの、あの固い鎧を打ち抜いたことといい、ぞっとする。二度と会いたくないが。
ぼくは、前みたいに若くして死にたくない。アイとも10年しか一緒に過ごせなかった。もっともっと永く一緒の時を生きたい。このための第一歩だ。考えられることは、全部やっていくつもりだ。』
『わたしもジェイと同じよ。あいつらとはもう二度と会いたくない。でもあの男がそんなことを言ったのなら話は違ってくるわね。分かったわ。そうしよう、ジェイ。
それと、わたしのこと、ジェイは全部知ってるみたいだけど、わたしは、この世界でのジェイのこと全然わかってない、全部教えてよ。』
『わかったよ、アイ。しかし、ぼくのほうはかなり複雑なんだ。』
暫くして、警察が店内に入ってきて、ジェイは病院に救急車で運ばれ、他のものは、その場で事情を聞かれ、警察署へと連れて行かれた。