葬式9 密談
惠美
「{ねぇ、克ちゃん。蓉子の仕事関係の人達が話してたのを聞いたんだけどね、亡くなったのは結構な人数みたいなの。花道会の重鎮とか新人とか、招待客とかも沢山出席されてたんだって}」
克慈
「{有名なグランドホテルらしいからね。宿泊客だって多かったらしいね}」
惠美
「{えっ、そうなの?! 蓉子が招待されたホテルって、有名なホテルなの??}」
克慈
「{……、ニュースくらい見なよ}」
惠美
「{そんなの、見る暇なんて無かったじゃん!!}」
克慈
「{惠美、社会人のたしなみだよ}」
惠美
「{残念でした〜。私は社会人じゃありません〜。未だ未成年ですぅ〜}」
克慈
「{働いてるでしょ。立派な社会人だよ}」
惠美
「{もうっ、お説教はいりません〜。ねぇ、そんなに有名なホテルだったら、被害者で合同葬とかありそうだよね? その中には蓉子も入ってるのかな?}」
克慈
「{合同葬なんだから入ってるでしょ。なに、合同葬にも出席したいの? 俺は行かないよ}」
惠美
「{私だって行かないよ! ねぇ、今回の大事故(?)には生存者は居たのかな?}」
克慈
「{ああ、惠美はニュースを見て無いから知らないんだったね。その日は運悪く全員出勤の日らしくてね、従業員は宿泊客やその他利用者と共に、一人残らず亡くなってしまったらしいよ。つまり、ホテル内の生存者は0人}」
惠美
「{えっ、0人?! ホテルを利用していたけど、ホテル外に居た人達は? 今までみたいに不思議と助かってるの?}」
克慈
「{みたいだね。其処はニュースで話題にはなって無いけど、ネットでは話題になってるよ。今まで起きた大事故との繋がりはあるのとか──、検証してる奴も居るみたいだね}」
惠美
「{検証かぁ。そんな事が出来るの?}」
克慈
「{出来るわけ無いでしょ。一週間後に必ず起きるってぐらいしか判ってないよ。大事故が起こる時間帯もバラバラでしょ。繋がりなんて第三者には判らないよ}」
惠美
「{当事者の私達なら判る?}」
克慈
「{多少は判るんじゃないの。裏付けが出来ないから、正しいという確信は出来ないけどね}」
惠美
「{……うん。ねぇ、克ちゃん、次は誰が被害に遭うんだっけ? 蓉子の後に抜けたのは……誰だっけ?}」
克慈
「{……酉頭。智沙ちゃんでしょ。その次はD男,善朋君でしょ。四番目は──。兎に角、次の大事故が起こるのは、蓉子ちゃんが亡くなった日から一週間後だね}」
惠美
「{──智沙が死んじゃう?! 克ちゃん、智沙に教えないと!!}」
克慈
「{教えてどうするの? 惠美の言う事を智沙ちゃんが信じるとは思わないけど?}」
惠美
「{うぅ、痛い事を言うんだから〜!! 克ちゃん、言ったじゃない。イストリゲームに負けた順番に大事故に遭って死んじゃうって──。お祓いも効果が無いって事も教えてあげなきゃ!}」
克慈
「{惠美は智沙ちゃんに嫌われてるでしょ? 放っとけばいいよ}」
惠美
「{克ちゃん……っ、駄目だよ……。確かに私は智沙に嫌われてるかも知れないよ? でも、智沙はアナちゃんの友達だもん。智沙が死んじゃったら、アナちゃんが悲しむよ……}」
克慈
「{そう、杏菜ちゃんの為にね。惠美がそうしたいなら、すればいいよ。十中八九、相手にされないと思うけどね}」
惠美
「{もうっ、何なの、克ちゃん! サオちゃんの美声に妬いてるの??}」
克慈
「{佐尾は関係無いでしょ}」
惠美
「{あ、そうだ! 朋ちゃんにもメールしなくちゃ! 朋ちゃん、どうしちゃったんだろう?? 今日ね、御葬式で会う約束してたんだよ}」
克慈
「{そんなに気にして、彼女気取り?}」
惠美
「{はぃ? 何なの? 気取って無いし! それに朋ちゃんは彼女は『要らない』って言ってたし!}」
克慈
「{ふぅん、そう}」
本当に何なのかな?
やっぱり克慈は機嫌が悪いんだ。
きっと私は腹いせに鬱憤晴らしをされてるんだ!!
とんだ、とばっちりですよ!!
いいやもう、善朋にメールしようっと。
智沙にもメールをしないとね。
私は善朋にメールを送信してから、智沙にもメールを送信した──んだけど、何故か智沙に送信したメールはエラーになっていて届かなかった。
何でよ!!
智沙宛のメールがエラーだなんて、信じらんないんですけど!!
大事な事を教えたいのに、何してくれちゃってんのよ、智沙は!!
惠美
「{もう〜〜〜、智沙の馬鹿っ!! もう、知らない!!}」
克慈
「{智沙ちゃんがどうかしたの?}」
惠美
「{……むぅ。智沙に送信したメールがエラーだったの}」
克慈
「{ふぅん、残念だったね。まぁ、回避の仕方が分からない以上、教えても不安を煽るだけで終わるんじゃないの}」
惠美
「{回避の仕方……。そんなのあるの? どうしたら一週間後に起こる大事故の回避が出来るの? 大事故が起こる場所も時間も分からないのに……}」
克慈
「{出来るわけ無いでしょ。一寸先は闇。人間には一秒先の未来の事すら分からないんだからね。回避が出来るとすれば──。兎に角、俺達には不可能な事だよ}」
惠美
「{……本当にそうなのかな? 出掛け先で大事故に遭うんだもん、出掛けるのを止めてずっと家の中に居たら、大事故に遭わなくて済むんじゃないかな?}」
克慈
「{なら、試してみれば? 智沙ちゃんが駄目なら、D男にでも提案してみればいいよ。俺は付き合わないけど}」
惠美
「{克ちゃんってば、冷たいよ〜! 協力してよ、私のお兄ちゃんなんだから〜!}」
克慈
「{勘弁してよ。俺は疲れてんの}」
惠美
「{もうっ、頼りにならないお兄ちゃん!!}」
ふ〜んだ!
克慈なんか当てにしないもんね!!
何とかしてD男さんと連絡を取れないかな?




