♥ 提案 7 / 圖倉 杏菜
?
「 ごっめ〜〜ん!
遅れちゃった〜〜。
テヘッ☆ 」
ハイッ、出〜ま〜し〜た〜。
智沙の幼馴染み兼親友で、私とは蓉子の次に仲良しな友達の杏菜。
今宵もロリータ風ファッションで登場してくれました!
いい歳して、通行人達の視線を釘付けにしてくれちゃってる痛々しくも勇気の有る子ちゃん!!
杏菜はロリータファッションが好きなのではなく、あくまで “ ロリータ風ファッション ” を好んでいるの。
惠美
「 アナちゃん、こんばんは♪
久し振りだね〜。
元気だった?
今日も素敵ングな格好だね〜。
見てるだけで此方のテンションも上がっちゃうよ☆
アゲアゲぇ♪ 」
──とか、思ってもいない事をノリで言ってみたりする。
でもでも、可愛いくて似合うのは本当なんだ。
杏菜はTジャツにダメージジーンズっていう格好で歩いているだけでも、ビシッとスーツを着ている人達に声を掛けられて、名刺を渡されちゃう程の可愛い系の美人さんなの。
杏菜
「 え〜〜、ありがと〜〜♪
今日の洋服はね、杏菜のお気に入りなの〜〜♥
フードがポイントなんだよ〜〜 」
……ははは。
惠美
「 ポーズも決まってるね☆
可愛いよ 」
杏菜
「 ありがと〜〜♪
惠~ちゃんも、杏菜と同じ格好したらいいのに〜〜 」
惠美
「 あ~……私は、いいや。
着ても似合わないもん。
アナちゃんみたいに可愛い子が着た方が洋服も喜ぶと思うし☆ 」
杏菜
「 え〜〜、可愛いだなんてぇ〜〜♥
本当の事、言われると照れちゃう〜〜♪♪♪ 」
……うん?
杏菜の頭の中は、お花畑なのかな?
まぁ、外見が素敵にいい子だから、別に中身はいいんだけど……。
杏菜は自由過ぎる子だからね。
杏菜
「 あっ、智〜〜ちゃ〜〜ん♪ 」
杏菜は智沙を見付けると、ブンブンと元気良く左手を振りながら、親友の元へ駆けて行った。
蓉子
「 惠美って変わってるわよね?
私は圖倉さんのテンションには付いて行けないわ…… 」
惠美
「 そうかな〜?
趣味のジャンルが違うだけだし、そんなにアレでもないよ?
智沙よりも断然良い子だし、智沙の幼馴染みじゃなければ何も言う事はないんだけどねぇ…… 」
杏菜
「 皆〜〜、行こ〜〜!! 」
杏菜の元気過ぎる呼び声が出発の合図となり、杏菜の案内で私達──6人は、とある場所へ向かう事になった。
杏菜さん、何故にスキップするの??
そんなに椅子取りゲームをするのが嬉しいのかなぁ?
……結局、杏菜は付き合いの長い智沙の味方なんだっちゃよね?
………………何処に行くんだろうね?