♥ 提案 4 / 逹木 季喜
善朋曰く、季喜とは幼稚園からの幼馴染みらしい。
私は善朋と季喜と同じ高校の同級生だったの。
季喜とは面識はあっても、善朋みたいには親しくなかったんだよね。
誠に勝手ながら、元クラスメートの誼で季喜を渾名で呼んでいる。
“ トッキー ” は私が考えた渾名なんだよ。
季喜は渾名に対して「 なにそれ、犬みたいじゃん! 」って、可笑しそうに笑ってくれたっけ。
善朋はカードゲームが大好きで、同類の仲間も多いらしく、小学生低学年の頃から幾つものカードゲームの大会に出場しまくっているみたい。
“ みたい ” って言うのは、 “ 勿論、現在でも ” って意味だよ。
そのカードゲームの大会先で出会って知り合った類友が全国各地にいるらしい。
季喜がカードゲームを好きなのを知っているのは、善朋と私だけだった。
季喜も自分から言う派じゃないから、周りには極力知られたくなかったみたいで、高校にはカード類を持参してなかったみたいだし、善朋に教えてもらうまでは、私も知らなかったもん。
現在は弟妹や近所の子供達にもカードゲームの楽しさや遊び方、ルールを教えてあげたり、一緒にカードゲームの大会へ連れて行ってあげたりもしているらしい。
子供が好きなのか、カードゲーム好きを増やす為なのかは分からないけれど、季喜は着々とカードゲーム愛好信者を増やしている模様……。
私はと言うと、カードゲームのルールとかカードに書かれているカードの効果とか説明とかを今更覚える気は更々ないけど、「 いいな〜。好きだな〜 」って思うイラストがあるから、カードのイラストを見るのは好きなんだ。
買い集めるとキリがないから買わないけれど、季喜に会えた時は、今でもカードを見せてもらっていたりする。
季喜は色んなカードゲームのカードを持ってるから見せてもらうのが楽しみだったりするの。
今日だって、たっぷりとカードのイラストを見せてもらったしね♪♪
蓉子
「 季喜君が参加するなら私も参加しようかな。
──ううん、参加する! 」
蓉子は季喜が好きなんだっちゃ。
季喜の趣味を知ったら蓉子はどう思うんだろう?
蓉子もオタ女だから、もしかしたら気が合うかも知れない……かな?
そんな蓉子が密かに想いを寄せている季喜は、どうやら智沙を好きらしくて……。
今の季喜の様子はと言うと──、智沙に腕を絡まれている克慈を睨んでる、睨んでる。
恋愛ってのは思うようには行かないんだね……。
惠美
「{ トッキーさ、克ちゃんを凄い見てるよね?
此処から見ても目力が半端ないもん }」
善朋
「{ 安条の胸を見てるんじゃないかな?
彼奴、胸とか太股とか好きだし…… }」
惠美
「{ えぇ〜、胸とか恥ずいね。
トッキーってば、むっちり系が好きなの?
小柄な智沙の太股には期待は出来なさそうだけど……。
やっぱり(?)トッキーも大きい胸の方がいいのかな? }」
善朋
「{ う〜ん……パフパフが出来るぐらいの胸が好きとか──って、惠美ちゃん?!
「 季喜を好き 」とか言わないよね!?
瀬戸瀬さんが居るのに駄目だよ!! }」
惠美
「 えっ? まっさかぁ〜!
ないよ、ないない!
いきなり変な事、言わないでよ〜! 」
またまた善朋に本気で心配されてしまったよ……。
善朋
「 そっか。
それならいいんだ。
安心した。
( ……惠美ちゃんは、普段は大人しくて、友達以外には自分から話し掛けたりしない子だからなぁ。
何を考えてるのか分からない時があるから、惠美ちゃんが冗談のつもりで言った冗談も、時と場合によっては冗談に聞こえない時があるんだよなぁ。
偶に此方に好意があるのか──って勘違いしそうになる時もあるし……(////)
それを真に受けると瀬戸瀬さんが恐いし……。
惠美ちゃんは無自覚みたいだけど……。
堪らないよなぁ… )」
惠美
「 それよりさ、朋ちゃん。
{ 蓉子の胸なら余裕でパフパフが出来そうじゃない?
トッキー的にはありなんじゃないの? }」
善朋
「{ いやぁ……それはどうかな〜?
彼奴の好みに関しては、いまいち分からないんだよなぁ}」
惠美
「 ほぇ?
そうなの?
幼馴染みで友達なのに?? 」
善朋
「 季喜とは趣味の話はしても、女性が云々の話はあんまりしないんだよ。
彼奴は女性よりもカードなんだよなぁ。
カードゲームの会社に入社さてからは、本当にカードの話しかしないんだ。
カードが恋人と言ってもいいぐらいだよ 」
惠美
「 そっかぁ。
『 希望していた会社に入社が出来た~ 』って喜んでたもんね。
毎日が充実してそうだよね、トッキー…… 」
善朋
「 充実し過ぎるぐらいだと思うよ。
今は新しいガードゲームを企画してるみたいでさ、季喜はルールを考えて決める部署に配属されるんだってさ。
季喜が羨ましいよ…… 」
惠美
「 え〜〜〜、朋ちゃんだって、レストランの厨房に就職してるじゃない。
将来は独立して自分のお店を出すんでしょ? 」
善朋
「 まぁ、そうなんだけどさ……(////)」
惠美
「 充実してるんじゃないの?
私は朋ちゃんが作ってくれる手料理、大好きだよ♥ 」
善朋
「 惠美ちゃんっ(////)
( ──っ、ほら、そんな笑顔で、そう言う事をサラッと言っちゃう所だよ(////) )
──って、こんな話をしてたら瀬戸瀬さんに睨まれないかな? 」
惠美
「 大丈夫だよ。
克ちゃんは智沙のお胸様に夢中なんだからさ! 」
善朋
「 …………うん。
だと、いいんだけどね…… 」