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第三章〔 異変 〕最後
……何とか文章を打ち終えて、送信する事が出来た。
暗い、怖い、寒い。
私は今、精一杯に背伸びをしている。
水は顎に来ている。
きっと、助けは来ない。
両足がプルプルしていて、もう、無理。
……限界みたい。
私ってば、ついてない。
本当に━━、ツイテナイ。
とぷん……と手からスマホが滑り落ち、仄暗い水の中に沈む。
安条智沙は力尽き、身体は水の中に沈んだ。
声が聞こえる。
誰かが呼ぶ声。
笑い声も聞こえる。
幻聴だろうか。
懐かしくて、心地いい声。
知っている声。
━━杏菜だ。
杏菜が私を呼んでるんだ。
杏菜……、ごめんね。
私は、もう━━、
アナタニ、アエナイ。




