♥ 廃校舎 3 / 再会
戸を開けて入って来たのは、私の知らない男女の5人組。
あっ、違った。
1人だけ知ってる……と言うか顔見知りの人が居たよ。
その人物とは──、蓉子の元彼です。
智沙をお持ち帰りしたつもりが、実はお持ち帰りされていた蓉子の元彼です。
なんか、前見た時と雰囲気が変わってないか?
……格好の所為かも知れない。
惠美
「 お久し振りです、舜也さん。
イメチェンしました? 」
舜也
「 え?
あ〜っと……ごめん。
君、誰だっけ? 」
にゃろめ〜、覚えてねぇのかよっ!
惠美
「 忘れちゃったんですか?
蓉子の友達の惠美です。
あの日以来ですから仕方無いですよね…… 」
舜也
「 蓉子?
ああっ、蓉子が紹介してくれた友達の!
智沙の隣に座ってた、あの? 」
「 あの? 」って、どういう意味だろう?
気になるんですけどっ!!
惠美
「 ……そうですよ 」
舜也
「 ごめんな、すっかり忘れてたよ 」
惠美
「 いいですけどね 」
舜也
「 君とは話した記憶はないけど、覚えていてくれたなんて何か嬉しいな。
あの日からずっと俺に片思いしてくれてたの? 」
惠美
「 まさか!
それは有り得ないですよ。
だって舜也さんは蓉子の彼氏だったんですから。
それにですねぇ、蓉子の隣で智沙に質問しまくってた『 智沙しか眼中ありましぇ〜ん 』だった舜也さんは、忘れたくとも忘れられませんよ? 」
舜也
「 君さぁ『 キツいね 』って言われない? 」
おいおい。
この人、悪気の欠片もない笑顔で笑ってるよ。
元彼ってのは、こんな感じの奴ばっかなの??
蓉子
「 ──っ、舜也…… 」
舜也
「 あっ、蓉子〜!
久し振りだな。
2年振りだっけか?
元気にしてたか 」
蓉子
「 ……、……こっ、……の、馬鹿っ!! 」
教室に蓉子が舜也さんの頬を叩いた音が響いた。
蓉子は両目に涙を溜めて、舜也さんを睨んでいた。
舜也
「 ──い゛つつ……っ!
よっ蓉子こ)?
いきなり何するんだよ?! 」
蓉子に強くひっぱたかれて赤く腫れた頬に手を当てた舜也さんが、叩かれた意味が分からないという表情で蓉子を睨んでいる。
……なんか、修羅場になりそう。
蓉子が怒るのも無理はないと思うんだよね。
あの日から舜也さんとの連絡が一切途絶えてしまったのだから……。




