プロローグ 2話
目が覚めた時、春虎の見た景色は一面真っ白の世界だった。
此処は何処だ? なんでこんな所にいる?
それに誰か他の人は? ここには俺1人だけなのか?
そんな事を考えつつ、取りあえず冷静になるよう深呼吸する。
此処に来る前、何していたっけ?
確か、桜の病室から出て帰ろうとして交差点で信号待ちをしてその後・・・・・トラックに轢かれそうになった子供を助けて、俺轢かれたんだ。
「ようやくそこまで思い出したな」
「!?」
声のした方を振り返って見ると、2人の男女がいた。
「まずは自己紹介だ」
男の方からいきなり自己紹介が始まる。
「俺は創造神のファイン、こっちが女神のシャル」
「始めまして」
2人がこちらに挨拶してきた。
「始めまして、藤堂 春虎です。」
いきなりの条件反射で挨拶を返すが、ちょっと聞き間違えたような言葉が聞こえてきた。
「・・・いきなり質問して良いですか?」
「おう」
「2人は神様と聞こえたのですが・・・本当ですか? 自分から神様です! なんて言う人なんて普通いませんよ」
「本当の事だしな」
事象神ファインは腕組みをしながら答えてきた。
事象女神のシャルも同じく傾く。
「まぁ、取りあえず今の状況を説明するからまずは聞け」
ファインがそう言葉を発した。
春虎は混乱している中で、今の状況を必死に理解しようと思いその言葉に頷く。
「先に言っておくが、お前はすでに死んでいる」
その言葉を聞き、春虎は何も言葉を言えないでいる。ファインは春虎を見てはいるがそのまま説明を再開する。
「自分で思い出したみたいだがあの時のお前は、子供を守り、自分が死ぬと自覚した。だから遺言みたいなセリフを言って亡くなった」
ファインはそう言うとシャルの方を見る。