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冒険をしながら異世界で生きる!  作者: 雪と猫とコタツ
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第四話

本日もう一話いきます。

「おっと!話がそれたな。ハルトラの治療魔法はどんな傷でも治すことができるのか?」


ドライに治療について聞かれるが春虎はその質問に答えかねている。

治療の魔眼を使えば死んでさえいなければ、どんな傷も治せるとシャルから聞いている。春虎もシャルの事を信頼しているので問題無いと思う。しかし、今出会って間もないドライに全てを話して良いのかを。

俺を助けてくれたから悪い人では無いと思うが、まだアスティアに来て常識的な事をハッキリ知っているわけで無い。さっきポカミスをしたばっかりなので少し慎重にしないといけないと思い少し本当の事を話して肝心の事は話さない事にしようと決めた。


「面倒な手順がありますね。なるべく自分以外に使いたくないですね」


春虎はハッキリと使いたく無いことを告げ、治療に必要な手順があることだけを教えた。


「手順ってのはなんだ?答えにくい事なら言わなくてもいいんだが」


春虎はドライの発言を聞いて微妙な顔をした。そして質問をする。


「そう聞くって事は誰かを治療したいって事ですよね?誰を治療したいのですか?」


ドライはすぐに答えを返す。

「娘のステラだ。詳しくは話せないが昔に負った傷のせいで言葉が話せない。それと、身体に酷い傷がある、薬はとても高く手が出せないだからもし治せるのならお願いしたい。」


ドライは春虎に頭を下げる。春虎もドライに対して少し警戒心を解きちょっとは信用してみようかと考え始めた。


「分かりました。こちらの条件を飲んで貰えるのなら治療をしてみたいと思います。」


「その条件ってのは?」


「俺が治療した事を誰にも話さない。治療法を話さない!それだけです。」


「―――ん?それだけで良いのか?」


「それだけですけど?何か?」


「治療代とか必要ないのか?」


「治療代ですか?ドライさんは、俺の命の恩人ですよ?必要ないです。」


春虎はドライにそう告げるがドライは申し訳ないから少しでも治療代を貰ってくれと言い迫る。その迫力に負け渋々それを受け入れる。


「それじゃ治療の手順を言いますけど良いですか?ハッキリ言いますけど、ドライさんには受け入れがたいと思いますけど・・・」


「なんだその俺が受け入れがたい治療法ってのは?」


「その・・・治療するのがステラですよね?」


「そうだ」


春虎は思い切って言葉にする。


「俺の治療法は対象の傷を一度目視して、患部に触れながら俺の魔力を流すことです。」


「なんだそんなことか・・・?もう一度治療法を確認するが傷を見て、その患部触れながらだと?」


「何処に傷を負っているかは分かりませんが・・・そうしないと治療は出来ません。」


春虎は恐る恐るそう告げる。


ドライは体を震わせ声を張り上げる。


「ふざけんじゃねえぞーーーーーーー!」


家の中でドライの声が響き渡った。思った通り親バカだった。

ドライが落ち着いたところで「ぐぅぅ」っと春虎の腹が鳴る。


「腹減りましたね。そういえば俺ここに寝かされてどれ位たったのですか?」


「ん?ここに担ぎ込んで寝かせて二時間くらいだな。そろそろ夕飯の時間だし飯を頼みに行って帰って来た処にお前さん、春虎が起きていた。って状況だ」


春虎は滝に落ちてからそれ程、時間が経って無いことに安心する。そう思っているとまた「ぐぅぅ」っと腹が鳴る。


「まずは飯だな」


ドライはドアの方に振り返りドアを開ける。そこにはバスケットがありサンドイッチみたいなのとチーズがあった。それを春虎は食べ夕飯終える。食べ終えた頃には外も暗くなり始めている。


「俺はそろそろ帰るぞ!今日くらいはお前さんを看病していようかと思ったが傷も治っていることだし俺は帰る!ここの小屋は自由に使っていいからなまた明日の朝来るからな。水は扉のすぐそばにある瓶に入っているからなぁー」


ドライは春虎にそう言いのこし立ち上がる。春虎もドライにつられて立ち上がり改めてお礼をする。それが終わるとドライは帰っていった。


ドライが居なくなり春虎は一人になり今日の出来事を振り返る。


「今日一日かなり危険な事が多かったなぁー。冷静になって考えると何で魔法使わなかったんだろう・・・。もし使っていればもっと上手く立ち回る事が出来たかもしれないし、武器の選択も間違ったかもしれないな。刀であれば狼達に致命傷を負わせることも簡単だったはずだ・・・。ほんと今日一日で色々と学ばせて貰った。経験が命がけってのがキツイけど。

 明日はどうしようかな?取りあえずドライさんに頼まれたステラの傷の治療かな?此処に暫く住んでいいのなら魔法の練習を改めてしようかな」


春虎はそう独り言を言い終えるとベットに沈み込み目を閉じる。するとすぐに寝息が辺りに響き渡った。


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