第一話
春虎はゆっくりと目を開ける。
「ここがアスティアかぁ~」
春虎は目の前に広がる景色に溜め息つく。今の景色を言葉にするなら、壮大な森!・・・森しかない!
「ここは何処だ?ってか辺り一面森しかないじゃんかよ!ここからどの方角に街があるかも分からない!本当にどうしろってんだよーーーーー!」
春虎の声は森の中に響き渡るだけだった。それから立ち直るまでしばらくの時間が過ぎようやく、これからの事を考え始めた。
「さてこれからどうしようかね・・・。今ある持ち物は、双扇と刀だけか・・・。こっちに送って貰う時に街の情報やお金を貰っておけば良かった。それに、この服装で街の中に入っても大丈夫かな?色々と聞いておけば良かったな~」
これからの事を考えると溜め息しか出て来ない。
「うだうだ考えても始まらないか・・・。とにかく歩こう!その途中で食料や水を見つけながら進もう!」
これからの方針を決め歩き始める。
ただひたすら歩く。行き先の分からない森の中を一人で歩く。水も食料もない、お金もこれからの事が不安で歩みも遅くなる。考え方もネガティブになりつつある。
歩き始めて一時間が過ぎ二時間がたとうとしている。
「まだ、森抜けないのかなぁ~。この方角に歩いて森抜けるのかなぁ~」
春虎は段々と不安な気持ちで一杯になってきた。しかも、水や食料も見つかってない。不安は積もる一方である。さらに、一時間位歩き続け休憩しようと立ち止まる。
「喉も乾いてきたし、お腹も減ったなぁ~。いったいどっちに向かえばいいんだよーーーーー!」
春虎は一人森の中で叫ぶが木々の音しか聞こえない。
休憩していると、ガザガサっと背後の茂みで音が鳴る。春虎が振り向くそそこにはグレーの色をした狼がいた。
「グルルゥゥゥゥゥゥ」
また3、4日後位に投稿したいと思います。m(_ _)m