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 今日も気温、湿度共に異常なし。アイは今日も元気だ。

 アイの急激な成長から1週間が経った。両腕は安定し、後は口が開くようになり食欲も若干増している。

 彼女は新しいガラスケースにいる。元々彼女が成長したら移そうと思っていたので、タイミングが良かったという事にしておこう。しかしこのガラスケースを除くとガラス管はあと1つしかない。そう割れる事はないとは思うが……アイが暴れたら割れてしまう事を知ってしまったので、安心できなくなってしまった。不眠の種が増えそうだ。

 今アイが入っている各4メートルの正方形をしたガラスケースは研究室の角に備え付けられている。壁は電動で動くようになっていて、その先は研究所の外の森に繋がっている。

 この研究所は孤島にあり、アイが人間社会に出る事はない。万が一アイが海を泳ごうとしても、海岸沿いに生物を痺れさせる電磁波を飛ばしている。それを防ぐ事のできる道具を持つのはこの島の科学者……私を含む限られた人間だけだ。

 ……もっとも、この機械を作ったのは私ではなく、同じ研究グループの科学者が念のためと作った物なのだが。

 私はアイから視線を外し、イスを回転させて顕微鏡の乗った机の方を向く。プレパラートに光を当て、顕微鏡を覗いてはノートに結果をまとめる。

 プレパラートには、透明な液体が挟まっている。彼女の腕が生じた時に飛び散った液体だ。最初は体液かと思っていたが、成分を調べると普通の動物とは多少違うものの、これは彼女の血液という事が分かった。性質を詳しく調べなければいけない。今日は徹夜だな。

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