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最後の願い

 殺された彼女に、私は殺される事にした。

 薄暗い、仄かな青の照明で埋め尽くされた部屋。中には様々な機械、顕微鏡、試験管、フラスコ、薬品、大きなガラス管、大きな割れたガラス管、白衣を着た私、白衣を着た私の腕に抱かれた、命。

 それは異形で異端で異常な、生き物だった。すべすべした青い皮膚、手足のない、蛇のような姿。細長い口吻。

 これが彼女の、成れの果て。私が進めてきた研究の生け贄となってしまった彼女の、成れの、果て。

 この生き物には無限の可能性がある。地球上のどんな生き物さえも寄せ付けない、圧倒的な力を持つ可能性が。

 人類を滅ぼす可能性が。

 そう、私はこれから彼女を育てる。そう遠くないうちに、彼女は完璧な存在となるだろう。その時、私は彼女に命を捧げよう。そして、最高の生き物の一部として人類の終わりの始まりを見届けよう。

 私が殺した彼女が、私を殺す事によって、彼女は完璧となり、人類の栄華を終わらせる。


 全てを失った私の、最後の願いだ。


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