表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

相田正毅3 【刻み責め】

4話目です。

「あぁ、これの事か」                                    俺は部屋の中央にある物を見て呟いた。                            其処には『ゲームのオーナー』が言った拷問器具か幾つも有った。ナイフ、ペンチ、アイロン、木で造られた丈夫そうな棒……等が有った。                             如何いう風に使用するのかは分からないが……。                        その時、黒いスピーカーからあのしわがれた男性の声が流れた。                 「1ゲーム目の『拷問者』は相田正毅」……っえ、いきなり俺?                 男性は続けた。                                       「『受刑者』を指名し、拷問するまでの制限時間は1分。ルールを破れば『拷問者』は即死刑だ。それでは、スタートっ」                                     其処で男性の声は途切れた。                                 「如何しよう」                                       俺は9人を見回した。                                    誰を拷問する? 誰も拷問したくない。でもしなければ俺は死刑だ。あの荒川の様に爆発して死ぬ。それでもいいのか? いいや、嫌だ。では、やるしかないだろう? 誰かを指名し、拷問するのだ。俺が助かる為に。                                        俺は部屋の中央に行き、近くにあった拷問器具、ナイフを右手に取った。             「【刻み責め】っ」再びしわがれた男性の声が黒いスピーカーから流れた。「『受刑者』の身体を切り刻めっ」其処で放送は中断した。                               「『受刑者』は真理子さんにする」                              俺は迷い無く答えた。                                    「えっ」真理子さんが悲痛の叫び声を上げた。「如何してっ?」                 俺は何も答えず、少しずつ真理子さんに近づいた。                       「来るなっ」                                        真理子さんは俺に向かって叫んだ。                              しかし、俺はそんなのお構いなしに真理子さんを捕まえた。                   真理子さんは必死に抵抗するが女性は男性の力に勝てない。                   「拷問するぞ」と俺は言うと、右手に持つナイフを真理子さんの右腕に当てた。そして、躊躇することなく一直線にナイフを縦に引いた。「拷問終了」                        すると黒いスピーカーからしわがれた男性の声の「拷問終了」と言う放送が流れた。同時に、その場に静寂が訪れた。                                       俺は真美子さんから身体を離した。                              真理子さんは恐る恐る自分の右腕を見た。しかし、右腕からは一切血が流れていなかった。ただ、少しナイフで切られた線が皮だけに残っていた。                          「如何いう事?」真理子さんは呟いた。「これだけで拷問終了?」                「そうだ」俺は真理子さんに微笑んだ。「このゲームの意味が分かった。これは痛みなど関係無い。ただ、形だけ、拷問していれば拷問成功となるんだ。其処で提案が有るんだ。これからは今みたいに最低でも『少量の痛み』だけで拷問し合うというのは如何だ? これで全員嫌な思いをしなくて済む。それと1度『受刑者』になった者は2度と『受刑者』に指名しない事。2度も『受刑者』になった者は可哀想だろ?」                                         俺の提案に9人全員が賛同した。                               「これで2度と真理子さんは『受刑者』にしては駄目だぞ?」                  真理子さん以外の8人は頷いた。                               真理子さんは微笑みながら俺に向かって「助けてくれて有り難う」と言った。実に嬉しかった。しかし、俺は何故真理子さんを助けたのか分からなかったが、今、礼を言われて初めて気付いた。俺は真理子さんが好きなんだ。なんか、美人だし。                           「2ゲーム目の『拷問者』は石井真理子」                           しわがれた男性に声に現実に引き戻された。                          本当の拷問ゲームはこれからだ。                                                                                                                                                                                                                               

【刻み責め】……受刑者の身体を切り刻みながら死なせていく刑。ヨーロッパや中東地域、欧米などで行われていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ