相田正毅2
3話目です。宜しくお願いします。
「此処は?」 突然の明かりに眩しさを覚えながら俺は辺りを見回した。 其処は、12畳程のコンクリートで造られた部屋で天井からは裸電球がぶら下がっており、其処から明るい光が放たれていた。その右隣りには黒いスピーカーがぶら下がっていた。部屋の中央には『何か』が置いてあったが、気にしなかった。 俺は前を見た。正面の壁に女性がもたれ掛かっていた。俺は「もしかして、石井真理子さんですか?」と聞くと、其の女性は頷き、「って事は君は相田か」と呟いた。 その他に8人の男女がいた。つまり、合計で10人。男性は、俺、相田正毅と浅田仁、秋田一樹、安岡昇、荒川明の5人で、女性は、ご存知の通り、石井真理子と蒔田久美、吉岡美子、靖樹真美の5人。それと、俺達10人には此処に来るまでの記憶が一切無い。名前以外、年齢、出身地、住所、電話番号など、何も覚えていなかった。 「如何いう事なんだ?」 俺達10人は口々に呟いた。 「さぁ、拷問を始めよう」 「?」 突然しわがれた男性の声が聞こえた。 「誰だ?」 しかし、10人の中にはこの様なしわがれた声の主は1人もいない。 「お早う、皆さん」 声は天井からぶら下がる黒いスピーカーから聞こえた。 「私は『ゲームのオーナー』」 「ゲーム?」 「そうだ。ルールは簡単。先ず、私が10人の中の誰か一人を1ゲーム毎に指名する。指名された者は『拷問者』というプレイヤーになる。『拷問者』は自分以外の1人を指名しなければならない。指名された者は『受刑者』というプレイヤーになる。『拷問者』は『受刑者』に拷問をしなければならない。拷問器具は部屋の中央にある物を1つだけ使う。しかし、だ。拷問器具は1度使用すると、2度と使用してはいけない。つまり、1ゲーム毎に使える拷問器具が1つずつ減っていくのだ。もし、ゲームのルールを破った者、『拷問者』が『受刑者』に拷問を与えられなかったり、1度使用された拷問器具を2度使用したりすると、死刑だ。私はずっと君達を監視している。ずるをしようとしても無駄だ」 「はっ?」荒川がスピーカーに向かって叫んだ。「ただ監視しているだけの貴様に俺達を如何、死刑に出来るというのだよ。やれるもんなら今、此処で俺を死刑にしてみろっ」 「っ!」 一瞬の出来事だった。 荒川の身体が爆発した。 「如何だ? 他に質問、又は要望は有るか?」 真理子さんが言った。 「このゲームは何回あるの?」 「1人一回は必ず、『拷問者』になる。つまり、だ。計算をすると、荒川が死んだから10引く1で9ゲームだ。お分かり頂けたかな?」 「……」 「では、拷問ゲーム開始だ」 最悪の拷問が始まった。