相田正毅
「ん?」 俺、相田正毅は暗闇の中で目を覚ました。 「此処は……?」 全くこの状況を理解する事が出来なかった。 「おいっ、誰かいないかっ?」 一応、叫んでみた。期待はしていないけれど。 「んっ? 誰かいるのか?」 おぉ、予想外でぇすっ。誰かいるのですね? 俺は期待に胸を膨らませながら叫んだ。 「あぁ、いるともっ」 「君の名前は?」 「俺は相田正毅だ。君は?」 「俺は石井真理子だ」 真理子? ……えっ? 女性? 「今、俺が男性か女性か迷ったろ?」 おぉ、素晴らしい。テレパシーを使えるのですか? 「いや、えーと……。まぁ、はい」 「はっきり言わせてもらう。女性だ。うん。いいんだ。いいんだ。よく言われる。たっく、顔も見ていないのにどいつもこいつも。俺の何処が男性なんだ?」 此方もはっきり言わせてもらうと、口調がだよっ。 真理子さんが質問した。 「此処が何処だか分かるか? 相田」 呼び捨てかよ。まぁいい。 「いいや。分からない」 「そうか」 「明かりさえ点けばいいんだけど」 「確かに」 「んっ?」まっ、眩しい。 突然辺りが光に包まれた。 うあぁ、辺りの様子が見えた。 「何だ。これはっ」 其処には……。