~プロローグ~
ゲームが終わった。 「あぁ、死ぬ死ぬ死ぬっ」 俺は叫ぶ。 死の恐怖に怯えながら。 いや、死よりも痛みの方が怖い。 もう、痛い。既に痛い。 背中に無数の針が刺さっている。 次は多分、前からもドアの無数の針が来るだろう。 俺は『ゲームのオーナー』と名乗る者のある言葉を思い出した。 【鉄の処女】。 拷問器具だ。 この中には針が無数に有り、俺の身体を貫くであろう。 そして、同じプレーヤーの言葉も思い出す。 『皆で此処から脱出しよう』 嘘じゃねぇかっ。現に俺は今、此処で死ぬ。 騙された。プレイヤーに騙された。 痛みが絶望が血が身体から出荷されていく。 辺りから光が消えていく。 あぁ、閉まる。【鉄の処女】の重い、重い、ドアが。 同時に、針が俺を貫き、暗闇が広がり、血と悲鳴が俺の周りを支配する。