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灰色の手

作者: 青島龍鳴
掲載日:2012/06/28

灰色の手


想像をかきたてるのが丸見えの内容です(笑)

“灰色の手のことを考えるな”


とあるホラーサイトで、こんな書き込みを見掛けた。


“灰色の手というのは名前の通りに灰色をした女性のもののようなほっそりした手のことだ。


いくつかの目撃談がある。

ドアや柱の陰から手だけが覗いていたという話が多い。

電飾のついた看板が壊れてもいないのに点滅していたのを不審がっていたら、看板の陰から手が覗いていたという話もある。


共通しているのは、報告されているのが全て手だけということだ。

そして、手を見たという者はいずれも行方不明になったり死亡してしまっているという。


たぶん、手より他のものを見たら、例外なく死んでいるのだろう。


死因はほとんどが事故死か急病。稀に自殺というのもあるが、着目すべきは一件だけ報告のある「絞殺」というもの。


首の周りに真っ赤な手の跡があり、犯人はいまだ知れないということだ。

この件をよく考察してみると…実は手を見て死んだ者は全て絞殺であった可能性がある。

親族が原因不明の絞殺死体にされたとなったら、誰だって事故だの急病だっただの言って誤魔化したくなるのが人情ではないだろうか?



肝心なことを後回しにしてしまったが、この灰色の手のことはあまり考えてはいけない。

なぜなら灰色の手が現れる条件というのが、この手のことを頻繁に考えることだというのだ。


暗がりの中に手が見えやしないか、扉を閉めようとしたら手に止められやしないだろうか…

そんな想像をしていると、そのうち本当に手に出くわしてしまうというのだ。


だから、この灰色の手のことは早めに忘れるべきだ。考えたり想像したりしてはいけないのだ…”



なんともありがた迷惑なサイトだろうか。

人間というやつは、想像するなとか忘れろとか考えるなとか言われると、かえってその通りにできなくなるものじゃないか。


あのサイトのせいで、オレはちょっとした暗がりを見ると手が見えちゃうんじゃないかという妄想にとりつかれるようになってしまった。

いままで寝る前は部屋の襖などは開け閉めが面倒なので開けっぱなしにしておいたんだが、それはできなくなった。

ちゃんと閉めておかないと、手が出てきやしないかと気になって眠れなくなってしまったのだ。



そんな日が続いて…

ついに昨日という日


いつものように襖を閉めようとしたとき、手が止まった。

長らく開けっぱなしにしていたせいで、もともとたてつけは良くない。あらぬ妄想が頭にあったものの、まさか本気にはしていなかった。

だから、特に気にすることもなく力を込めただけだった。


そんなわけで

自分の手のすぐそばで


灰色の手が襖をつかんでいることに気付くのには十秒くらいかかったとおもう…


手に気付いてからは早かった。

手だけが目に入ったその瞬間、雑念の一つもなく体は動いてくれた。


手を払いのけてやろうとか、手の他に顔とか見えないかとか、後ろを振り向いてみようとか、余計な考えが何一つ浮かぶ暇もなく


反射的に体が動いた。


運良く網戸にしていたお陰で、窓を突き破って出ていくのは簡単だった。



その足で近所の友人のうちに転がり込んで、頭を下げて泊めてもらって、今はどうにか無事でいるんだが…


シャワーを浴びようと服を脱いだら、友人が奇妙なことを言い出した。


背中に赤い手形がついてるが、それは何だ?だと…



…残念ながら

背中の手形が首につく日も遠くないきがする…

この話を思い付いた後、書いた本人が夜中にトイレに行くのが辛くなりました(馬鹿)

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― 新着の感想 ―
[一言] 不思議だし興味深い とても面白いよ 後の少しが面白かった 私も怖い話を書くと時々そうなるんだ
[良い点]  ありそうで、意外とあまりない設定です。   [気になる点]  灰色の手……、もう少し、詳しく描写していただければ怖さが残るかもしれません(主人公の立場だと難しいでしょうから、サイトのペー…
2012/06/28 22:16 退会済み
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