第五話
神崎が僕に残した手紙。その文面は間違いなく・・・
「信ちゃんがこの手紙を読む頃には、俺はこの世にいないと思う。この世にいないと言うのはあの世にいると言うことで、この世には居ないけど、探して見ればぁ?公園にいるかもぉ。なんて言うノリではないことを分かってほしい。
つまり俺は死んだ。俺の計画がうまくいっているのなら、俺は物理の難しい公式でしか計算でないような力の大きで、地面に叩きつけられて死んだはずだ。そして、俺は事故死と言いうことになっていて、信ちゃんだけがそれが間違いであることを知るはずだ。
つまりあれは事故死ではなかった。俺は自ら死を選んだ。どうしてそんなことをしたのかって思うだろ?
hideとも、カート・コバーンとも、芥川龍之介とも、三島由紀夫とも、自殺の原因は違う。ゲームや有害映画に影響されて死という概念がチミの中にヒロイズム的なものとして固着していった結果がこれだよ、ふぉう、ふぉう、ふぉう。なんて言われても俺は反論できる。
話は変わるけど、俺がよっしーや信ちゃんに内緒にしていたことがあるんだ。
実は・・・君たちよりも一足早く大人の男になりましたよ、死ぬ前に。
つまり、初体験。おっと、親戚のおじさんに無理矢理ソープに連れて行かされたわけでもなく、人気の少ない路地裏で犯罪に手を染めたわけでもないから。
ずっと黙ってたけど俺には彼女がいて、何で黙ってたかっていったらその子のこと紹介しづらかったからなんだ。・・・なんていうか俺はそこそこその子の事が好きだったわけであって・・・姉さん。
んで 信ちゃんにお願いすることが一個だけあります。彼女のことをよろしく頼む!!
俺が死んだ後もあいつがうまくやっていけてるか・・・それを確かめてほしんだ。
信ちゃんを男と見込んでの頼みです。陸上部のエースでありながら、エロ本をトイレのタンクの中に隠してるとこなんか男だし!!
そんなこんなで彼女のこと頼む。今までありがとう!」
神崎の手紙にはそう書かれていた。そして本文の下の方に、この町から少し離れたところにある海沿いの町の住所と、知らない女性の名前が加えられていた。