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あとがき

 はい、もしもし? あぁ、俺。久しぶりやな。どうしたん、おまえのほうからかけてくるなんて。


 手紙? もう着いたんか。思うてたより早かったな。


 やっぱ驚いた?


 あはは、そやろな。うん、誰にも相談してへんかったし。他の奴にも、今手紙書いてるところや。


 なんでって、ほら、俺最初から言うてたやん。やりたいことあるって。ずっと続ける気なんかあらへんって。


 そんでも、初めのうちは仕事しながらでもできる思うてたんや。


 けど、やっぱあかんかったわ。


 毎朝早うに出かけて、夜遅う帰ってくるやろ。家に着いたらくたくたで、やりたいことやってるような時間も体力も残ってへん。休みの日は掃除と洗濯と買い物で終わってしまうしな。


 結局、いつも何にもできんで、だんだん気持ちが焦ってくるねん。


 えっ? いやぁ、別に仕事自体はおもしろかったで。わりと興味あったし。


 ただな、あれってすごく単純作業やろ。俺、自分でもうちょっと辛抱強いほうやと思うとったけど、結構飽きっぽいみたいでな。こうペン握り締めて紙切れ睨んでると、だんだん眠なってくるねん。


 で、誰か声かけてくれたらえぇのに、みんな自分の仕事に必死で他人のことにかまってられへんねん。そんな忙しいわけでもないんやけど、なんか周りの目気にしてるんちゃうか。


 もうちょっとおもろい職場でもえぇと思うで。


 まぁ、そんなんはどうでもえぇわ。


 とりあえず、俺、もっと自分の時間ほしかったし、何より安定した生活にじっとしとられへん性格やしな。


 あはは、怒んなって。もったいのうあらへん。


 俺にとっちゃ、老後の心配しながら毎日同じこと繰り返す時間のほうがもったいないんや。


 わかってる。世間はそんな甘ない。それくらいちゃんと覚悟しとる。


 なぁ……おまえはどうするん?


 うん、そうか。そりゃ、普通はそうするやろな。


 おまえはおまえでがんばれよ。


 あはは、俺に言われとうないって?


 あぁ、俺もがんばるさ。


 もし、俺が革命でもおこすことになったら、そっと見守っててや。


 冗談や。笑って。だから怒んなって。


 あ、長くなったな。悪かった。


 そんじゃ、また。元気でな。




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