SIDE B・謹賀新年 3
5・4・3・2・1……
ちょうど、枕元の時計が十二時を指したときだった。
突然、街中の灯りがついた。もちろん、僕の部屋も。
僕は驚いて飛び上がり、隣で眠っているはずの友人を起こそうとした。が、彼はすでに服を着替え、家の前で近所の人たちと何かしゃべっていた。
「あけましておめでとう、RKC-4802号」
彼は僕を見るなり、そう言った。
「RKC-4802号……?」
何のことか理解できなかった。たぶん僕のことを言ってるんだろうけど、僕はそんな名前じゃない。
「大丈夫か、RKC-4802号」
友人は心配そうに僕の顔をのぞき込んだ。
「なんで僕のことを、そんな番号で呼ぶんだ?」
すると友人は顔を曇らせ、近所の人たちと何か相談を始めた。騒ぎはそこら中に広がっていく。
「おい、なんなんだよ! ちゃんと説明してくれ!」
しばらくすると、僕を囲んでいた人たちを掻き分けて、黒ずくめの男たちが現れた。そのうちの一人が言った。
「一月一日零時二分、RKC-4802号のデータを消去する」
そして僕は、この世から消え去った。
おわり