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SIDE B・謹賀新年 1
誰のせいで、世界は崩壊したのだろう。
いつから、僕たちは存在しなくなったのだろう。
奴らは僕達を裏切った。
僕たちは奴らを信じ切っていた。そのことが将来、どうなるかくらいは予想がついていたのに、僕達は気付かないふりをしていた。
奴らはとても公平だった。
とても正確に、「善」と「悪」とを見分けた。と、言うより、奴らの行動にはその二つしかなかった。
それが「善」か「悪」かを見分けるのは、僕達の役目だった。でも……
僕達の瞳は曇っていた。
誰が見たって「善」なのに、誰が見たって「悪」なのに、僕達は見えないふりをした。
だって、そのほうが僕達にとって「得」だから。
僕達は、僕達の「得」のために、瞳を閉じた。
奴らが僕達を裏切ったんじゃない。
僕達は、自分から消滅していった。
世界の崩壊は、僕達のせいなんだ……