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水の恐怖

作者: 神名代洸

コレは今から数年前にあった事で、少し前から噂があった場所です。

そこは某県にある自殺の名所で有名で、心霊写真も撮れることで知られています。

ただ私は見えるわけでも無く、聞くこともできないので信用してはいませんが…。なぜそんな話を今するのかというと、私の知り合いがつい先日その場所に行ったらしいのです。

友達数人と面白半分だったらしいのですが、他にも人がいて、…そこは観光の名所でもあったのでその観光客がたくさん見えて怖さというものは全く感じられなかったと言ってました。

でも観光客は時間行動で移動しちゃうじゃないですか。なので最終的にその場に残ったのは友人達だけになります。

アルコールも飲んでる人がいたからほろ酔い気分でいい感じだったみたいで、崖の方へ歩いて行ったんで止めたんです。でも友達は静止を振り切りほんの数センチのところまで歩いて行きました。

「危ないよ!」

と何度も言ったんですけど酔ってたせいか聞いてくれなくて、気がついたらいなくなっていたんです。

みんな【まさか!】と慌てて近づいて行ったんですけど、どこにも姿が見えず、下を見ると波間に何かが浮いているのを見て持っていたカメラのズームをめいいっぱい伸ばしてみたら友人が履いていた靴だったことがわかって皆怖くなっちゃってその場から逃げ出したらしい。


車の中では誰1人として口を開けるものはおらず、真っ青な顔をしていた。

「なぁ、警察に通報した方が良かったんじゃないのか?」「アホか?ビール飲んでるやつもおるから酔っ払い同士でふざけて突き飛ばしたとか言われておしまいじゃね?」

「でもさ、まだ生きてたらどうするの?」

「あの波飛沫で無事でいられるってか?高さも相当あったぞ?無事じゃないと思うぞ?」

「でも……。」

「でもはなし。帰るぞ!」

「でも親になんて言えばいいんだよ。ダチは1人海に飛び込んでどこかにいっちまったとか言うつもりか?それで親が納得するとでも思ったか?」

「じゃあ、どうすれば良かったって言うんだ。」

「素直に警察に言えば良かったんだよ。事故ですって。あそこ自殺の名所だろ?察してくれるって。」

「本当にそう思うか?」

「しかないだろ?」


車を路肩につけて携帯から電話をかけようとしたが、ダチに止められた。もし疑われたら番号からバレるぞ、って。仕方がないからコンビニを探した。近くに電話ボックスがないか探す為に。


コンビニはあったが電話ボックスはなくて、辺りを見回したら明かりが…。

歩いて近づける距離じゃなかったから車で近づいたら電話ボックスだったので、そこから電話をして警察に通報した。


あったこと全部を話すのは辛かったが仕方がない。

こっちが動揺しながらも話を聞く警察官の人は落ち着かせてくれてなんとか全部話を終えることが出来た。一応現場に来て待ってて欲しいと言われたので嫌だったけど皆んなで現場に戻った。


しばらくしてパトカーもやって来た。

しかも2台。なんで2台?

まっ、そんな事よりもダチのこと探してくれるのかなぁ?

などと考えていたら、警察官が近寄って来て再度同じことを聞かれた。

「嘘じゃないぞ!みんなが嘘つく理由がどこにある?」

「じゃあその友達はなんで崖の方まで歩いて行ったのかなぁ〜?」

「知らないよー。何度呼び止めても聞かなかったんだから。」

「そうそう、まるで俺らの声が聞こえてないかのようだった気がする。」

「分かった。でもな、ここら辺の海は波が高くてな、潜れない場所で船でも近づくのが危険な場所なんだよ。明日しか捜索出来ないな。」

「そ、そんなぁ〜。」

「あとは我々が受け持つから連絡先を聞いておいてもいいかな。ココにいる全員だけどね。」

「は、はい。」


俺らは連絡先等書類に書いて警察官に渡した。

無事見つかってくれることを祈る。



それからそいつの家に行った。両親に事情を話したら母親が崩れるように倒れて泣いた。見ていられなかった。

その日はそこで解散とした。

後味が悪い飲み会となった。

その日の深夜、俺は夢を見ていた。多分夢じゃないかなぁ?

だってそいつが全身ずぶ濡れで地面から浮かんでたんだ。で、徐々に近づいてくる。

フローリングに水溜りを作って…。?水溜り?

夢にしてはよく出来てるなぁと感心していたら真っ青で髪が顔にへばりついたダチが近づいてくる。

なんだか部屋の空気が冷たい。

コレは本当に夢か?

俺は手近にあったものをそいつに当てようと投げたが、通り抜けた…。マジか?

そう、それは夢ではなかったのだ。と言うことは本物の幽霊。ダチは死んだのか?あの海に落ちて。

なんで今更俺のところに現れる。何しに来た?まさか、俺を道連れとか言わないよな。死んでるんだから。

俺はまだ死にたくない。

死にたくないから逃げる。

一目散に部屋から飛び出した。

でも部屋は静かだ。皆寝ている時間だからか?

おかしい。

この音でも起きないなんて。


逃げる時に咄嗟に携帯を掴んでいたので、ダチに電話する。あの日のダチだ。

そしたらみな同じように慌てて逃げてるとこらしい。

出鱈目に走って逃げてたら気がついたらあの場所まで来ていた。そう、いなくなった場所だ。

「マジかよ〜。」と呟きながらも仲間全員と合流する。

1人は慌てて警察に電話していた。

迷ってる時間ものんびりしている時間もなかったから。ダチそれぞれに近づこうとしていた霊は1人になって近づいてくる。

マジ勘弁だよ。

でもさ、バラバラになろうとするとそいつの方に行くんだよ?

逃げられそうもない。

気がついたら崖の近くだった。

「オレ、オレは死にたくない!」ダチの1人がそう言って後ろに逃げようとしたらもう崖だった。

逃げ場がないとわかるとその場で泣き出した。

「悪かったよぅ。もっときつく言って腕引っ張れば良かったんだよね?でもあの時はああしか出来なかったんだ。許してくれよ。」

「そうだぜ。おまえがなんでそっちに行っちまったのかはわかんないが、今更だろ?だから消えてくれ。頼む。」

霊は何かを喋ったようだが、聞き取れるものはいなかった。

そしてついに起こってしまった。

ダチが崖から飛び込んだのだ。その様子はやって来たパトカーの警官にも見られていて、タッチの差で海の中へと消えていった…。

だが、霊が見えない警官は頭が混乱していた。

友達が消えてしまって錯乱状態なのかもと俺たちの方へと近づいて来たが、霊も一緒に近づいてくる為怖くて何も出来ない。


真っ青な顔をしている為、警官は不思議がるがまさか自分のすぐ後ろに霊が立っているなんて気づかないだろう。


どうしたら…どうしたらいい?

ダチがまた1人海の中に消えてしまった。

でも今ならまだなんとかならないか?怖いけど飛び込むか?

他のダチは首を横に振り、俺がやろうとしていることをダメだと半泣きになりながら体を掴む。

動けなかった。正直ココから飛び込むことは怖い。

止めてもらったのはありがたいが、ダチが消えてしまった。死なせたくない。

一か八かでダチの手を振り解いて一気に崖から飛び込んだのだ。波は多少落ち着いていたが、それでも溺れそうになった。口元から抜け出る泡…海面を目指して手足を動かす。

ざばーんと海面から顔が出た。

助かったぁ〜と思ったが、ダチがどこかにいるはず。助けないと。

海面には浮かんでいないと言うことは水の中にいるという事。思いっきり息を吸い込んで海に潜った。

水は濁っていない為視界は良好だ。ダチもすぐに見つかった。

その姿を見て俺は恐怖を覚えた。だってそいつの体に巻き付いているのは昨日飛び込んだダチと知らない人間だった。

早く助けないとと思ったが1人では力が足りない。

海面にでて救助ボートを待つと直ぐにやって来たので装備をしたダイバー達に状況を説明して一緒に海の中へ。

皆驚いて泡を出したが、まだ可能性があるかもと巻きついている2人を数人がかりでほどいた。

そしてダチ2人を海面に。そして知らない人間を1人助け出してその場を離れた。


結局絡まっていた2人は亡くなっており、巻き付かれた方はまだ蘇生が可能だったようでなんとか一命を取り留めた。




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