表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/2

1 好きではあるがなりたかったわけではない

 えーーーーヘビかー。マジかー…。

 手足ないの不便じゃね?尻尾の先端が特別器用に動かせるわけでもなさそうなのに。

 しかも声が出せない。声帯?が存在している感覚がまったくないんだよ。

 出せるのはヘビ特有の「シャー」って声。声というか舌を出し入れする際、鱗と歯に触れてそういう音がなってるだけなんだよ。

 これは意思疎通が不可能ということが確定した…。なんてこった…。


 あのー、僕を転生させた神様的な存在がいらっしゃるなら申し上げたい。

 僕からしてヘビは愛でるものであって、なりたい・憧れている存在というわけではないんだ!

 マシロを飼っていたが、特別ヘビに詳しいわけでもなく、ただ犬猫を愛でたり新しい家族として迎え入れるような目的で飼っていた。

 僕は小さいときから爬虫類が好きだった。これも、単純に見た目が可愛いと思っているという理由だ。特別詳しいわけでもない。

 そんな僕が小4のとき、爬虫類展の販売コーナーで、初めてマシロと出会った。一目惚れというやつだ。

 義理の両親(叔父と叔母)に飼いたいとお願いしたが、もちろん動物を買うということすなわち命を預かるということで反対された。それでマシロを1時間くらいじっと見つめていたら、仕方ないと許してもらえた。


 そうだ、僕が転生しているならマシロも転生しているのでは?

 ヘビ同士であれば意思疎通可能だったり?それで神様は僕をヘビに転生させたのかもしれない。

 ただ、あの火事でもしマシロが生き残っていたら…。いや、流石に僕が倒れてあれで助かるわけないか…。


 よし、とりあえず移動しよう。転生したマシロに会えるかもしれない。

 まぁ出会ったとして意思疎通ができるかわからないけども。

 そういえば、異世界転生といえば自分のステータスが見れたはずだったな。

 ステータスオープン!……と心のなかで念じてみたが、何も現れず。

 ちょっと期待してたが残念。

 もしかして人間限定の特典ですか?それとも声に出さないとダメなやつですか?もしくはそういうスキルや魔法があるんでしょうか?


 でも、これじゃあ自分の能力が何もわからない状態だ。

 他の魔物と遭遇することは避けられないはず。下手に戦っても負ける可能性は十分あり得る。

 ここは慎重に進んでいかないと。

 そうして、僕は洞窟の見える道を進み始めた。




 それにしてもきれいな石だなぁ。青白っぽく光るものや黄色く光るもの。売れるのかな?そうであれば確保しておきたい。掘るものと運ぶものが欲しいなぁ。


 体はびっくりするくらいなに不自由なく動かせている。それは元から自分の体であったかのように。

 手足の感覚は全くない。人が自分にない体の部位を想像しているような感覚だ。


 ん、奥からなにか聞こえるな。こっちに向かってきてる?

 ブーンという虫の羽音のようなものだった。それは段々と大きくなってきた。

 そしてよーく目を凝らして奥を見ると、なにかが飛んできていた。


 あれは…なんだ?ただの虫?……いやデカい!それとも僕が小さい?

 まて、あれはハチ?ミツバチでもスズメバチでもクマバチなんかでもない。

 体長1.5mほどに見える巨体、いや、僕が小さいならそんなに大きくないか。

 見たこともない緑と赤の体に、鎌っぽい腕。尾に付いた太い針。やっぱりただの虫なんかじゃなくて魔物?


 魔物同士なら危害加えられることもないかな~。いやどう見ても加速してるから僕を襲いにかかろうとしている!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ