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第一章 世界樹の写し木 第二話

 術式により今度は迷うことなく目的地である迷いの森の中心部にたどり着いた。そこにはまるで天と地をつなぐ橋のように、巨木がそびえ立っていた。幾千年もの時を経てきたかのようなその木を見上げると、幾重にも重なる葉と枝が空を隠すように広がっており、光は遮られているが葉そのものが淡い光を放ち、周囲には光虫が飛び交っているため不思議と暗くはない。むしろ、その幻想的な風景に心が落ち着いてくる。


「軽い気持ちで来たら、とんでもない場所に来てしまったな。」


 ソラはため息をつきながら呟いた。その巨大な木は湖の中心に根を張っており、その根元に向かって一本の畦道が行き先を示すかのように存在している。


 探求課の任務は世界中の神秘の探求であり、こういった術式や呪いがかかった場所に向かい、その原因の究明や実態の調査が仕事となる。探求課に配属されて10年になるが、経験的に美しい景色であればあるほど、その危険度も比例していくことが多い。


 警戒を強めながら一本道を進み木の根元へと向かっていくと、木の根元に穴が開いており、木の内部へ入れそうなのが見て取れる。


「確かにとんでもないな。こいつは世界樹の写し木をダンジョンに昇格させて、疑似的だが世界樹の恩恵を享受できるようにしてやがる。」


 ゴエティアの声が右手から聞こえてくる。その言葉にソラは思わず目を見開いた。世界樹とは生命の樹と呼ばれ、世界中の生き物の命の循環を司る樹だといわれている。その葉のしずくはあらゆる傷や病を癒し、その葉は死者の命すら蘇らせるという。魔導書もその樹皮から作られているという話だ。ただ、世界樹の存在自体は確認されているが、そこへの道は常に変動しており、守り人の案内がなければ決してたどり着けないといわれている。また、世界的にも有名な場所であり、探求課の一度は行きたい場所ランキング第1位でもある。



「世界樹を模したダンジョンってことは、良くて危険度6クラスってとこか…。ん?恩恵にあやかるってどういうことだ?」


「言葉の通りだよ。おそらくだが、ダンジョン化するという代償を払うことで、世界樹が生み出す癒しの素材などが顕現するようにしたんだろうな。」


「なるほどな。つまり危険度に見合う恩恵が得られるダンジョンってことか。」


 この世界にはダンジョンと呼ばれる超高度な術式により作られた異空間が存在する。その成り立ちは今から1000年ほど昔の魔術全盛時代に遡り、当時の魔術師たちはダンジョンを用いて王家の財宝を守ったり、修練場として使用したり、今回のように通常では手に入らないような貴重なものを魔術で顕現させるために使用していたとされている。そんな成り立ちがあるためダンジョンは顕現した宝物などで一攫千金を狙えるとされているが、現実は宝物にたどり着く前に命を失うのが大半である。


「それじゃあ、久々に趣味と実益を兼ねたダンジョン攻略といきますか。」


「いや、普通に探求課の仕事だろ。」


「細かいことは気にすんな。」


ダンジョンデータ

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秘境    迷いの森     危険度6


挑戦者1500人  帰還者3人  踏破者1人 生還率0.2%


ダンジョン 世界樹の写し樹 危険度8


挑戦者?人    帰還者?人   踏破者?人


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