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第一章 世界樹の写し木 第十七話

 帝国魔導書院序列。帝国が定める魔導司書の戦闘能力を表す指標である。端的に言うと、序列 5 位とは帝国内で五番目の強さを表す。


「世界樹の守り人……か。それが事実なら俺の名が知られてるなんて光栄だね。」


 ソラは右手に魔力を込めながら返事をする。


「ふふっ。そんなに警戒しなくて大丈夫だよ。序列の順位以上に、ペサディージャを討伐できるような人間とやりあうほど馬鹿じゃないから。」


 まるで見てきたかのように語る口ぶりに、ソラはより警戒を強める。


「ごめんごめん、こんなこと言ったら余計警戒するよね。これを見てもらう方が早いかな。」


 そう言うと女は懐から木製のクロバー型のブローチを取り出す。


「……相棒。こいつは本物の守り人だ。あのブローチからはたしかに世界樹の魔力を感じる。」


「マジかよ。引きこもりで有名な世界樹の守り人が、こんなパチモンのダンジョンに何しに来てるんだ?」


「慌てない慌てない。信じてもらえたようだし、改めて自己紹介といこうか。私の名前はベル。君の言う通り、引きこもりの守り人さ。今回はこのダンジョンの主に用があって出張って感じだね。」


 ベルと名乗ったエルフは楽しそうに右手を振りながら名乗った。


「世界樹の守り人のベルって言うと、ずいぶん大物が出張してきたんだな。噂に名高い深緑の支配者が足を運ぶってことは、とても良い話を聞けるとは思えないんだが」


「良い勘してるね。簡単に言うと世界の危機だよ」


「予想以上過ぎて頭痛くなってきた。」


「聞かなかったことにして帰らねえか?」


 楽しそうなベルとは対照的に、ソラとゴエティアはげんなりした様子で応える。


「まあまあ。そう言わずにこれも縁だと思って、私の目的に協力してくれないかな?」


「……お先をどうぞ」


「では有り難く。君たちもこのダンジョンが世界樹を模したものだとは気づいてるでしょ?実はこのダンジョンはね、とある魔術師が永遠の命を得るために作り上げたものなんだ。」


「ってことはその魔術師が生きていて、その目的の為に世界樹の魔力が横取りされている。そして最悪、世界樹が枯れる可能性があるってことか?」


「さすが話す魔導書なだけあって鋭いね。その通りだよ。補足するなら、魔術師はここの第五階層のダンジョン主でもあるから、ダンジョン攻略が目的の君たちとは手を取り合えると思うんだよね。」


「ふーん、それなら悪くない提案だな。ただ、いくつかききたい。その魔術師ってペサディージャクラス?」


 ソラは二階層の悪夢を思い出して問う。


「それは安心してくれ。ペサディージャは本当にイレギュラーだったんだ。さすがにあの格の魔物を生み出すことはできない、千年以上生きた嬢王蟻が生み出した奇跡さ。魔術師の実力は未知だが、あれを超えることは考えられない。」


「よしよし、あんなのがゴロゴロしてるなんて地獄だからな。あとは今俺たちの仲間が一人はぐれていて、そいつを探すのが先でもいいか?」


「ああ、あのハングリーアントのことだね。それならすぐそこに。」


 ベルがソラの隣を指さす。すると葉脈の流れからはじき出されたスカーが、床に叩きつけられるように落ちてきた。


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