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長野だけ残った世界

2xxx年----


世界は異常な海面上昇・豪雨により標高の低い土地は全て海に沈んでしまった。


標高3000mの山々が連なり「日本の屋根」と呼ばれる長野県を日本政府は最終防衛ラインにし、長野を囲むように巨大な壁を建設した。________



長野が最終防衛ラインに指定されてから30年。

長野は日本全国からの避難民を受け入れ、人口過密・少ないスペースに所狭しと建てられたビルや住居は過去の日本の住居法を無視した違法建築と化していた。




________

「ねぇハルタ……私ね静岡に帰るんだ。寂しくなるね」

壁の外に出れるはずもないのに幼少期、そんなことを誰かに教えてもらった気がする。




『ハルタ!ジカンダヨ!ハルタ!オキテ!』

??

『ハルタ!』


眩しい。

「ユーリウス…まだ時間じゃないよ。」

生活補助ロボット、ユーリウス。

5年前政府から1世帯に1台配布された完全太陽光発電、地球に優しい素材(?)で作られているらしいフヨフヨと宙を浮いて移動する不思議なロボット。

最初はこんな最先端の技術が施されたロボットを配布すると発表された時はネットで陰謀論が流行ったものだ。

だが5年も経てばユーリウスの存在は生活に馴染んでいった____。



『ハルタ!チチウエサンガ、リョウニデカケルヨ!』

「それを先に言ってよ!!!!」



ハルタの父は漁師だ。

壁の向こう側、海に沈んだ新潟県海上(日本海)で魚を釣ってくる仕事をしている。

ハルタは父の漁に度々一緒に連れて行ってもらっていた。



「父さん!!俺も連れて行ってよーーー!!!」

窓から車に乗り込む父を見て












しまった と思った。



父は新潟へ漁に行く時は赤い乗用車に乗っていくが

群馬県海上(太平洋)に行く時は黒い色のトラックに乗る。

群馬に行く時は漁には連れていけない。それはハルタが幼い時から口酸っぱく言われ続けて来たことだ。


父はこちらを少し見たが、何も言わずにトラックで出ていってしまった。

太平洋には不思議な海流が存在し、1歩間違えれば船ごと飲み込まれ二度と長野には戻って来れないと聞いている。

漁師になるには国家資格が必要で長野の中でもほんのわずかにしかいないらしい。





「いいなぁ…俺も漁師になりたいな。」

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