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バーム工場での最後の反論

 係長に退職決意の経緯いきさつを話す前に『これだけは言っておきたい』ことを最後に置き土産にして去るつもりである。

 『係長』と穏やかな表情で言ったあとらんどは答えなどないことは仕事上に限っても山のようにあるという旨のことを話した。

 『何を言っているのか』といったかんじの表情であったが『今度の給料日で退職したいと思っています』と続けていったのを聞いて納得しているようであった。

 否、係長は忙しい仕事のなか有期雇用従業員に次の仕事を指示してきた。『答え』なるものは持っているのである。その答えはほとんど応用のきかないその都度の指示であるから、そのたび『また前いったことを反故ほごにして!』とあきれ返っていたらんどだった。

 問題は会社にあって有期雇用従業員のカウンターパートを直属の係長一人に押し付けたことにある。つまり有期雇用従業員への苦情受付、指示を一本にしかしていなかった。ごーるの面代さんへの連絡すら快く思っておらず実質会社側はこころよく受け付けていない。バーム工場株式会社は、障がい者雇用をしている優良企業を世間にアピールしたいだけであって要は自社にとって最小限のリソースでことを運ぼうとしていた。

 この奇妙な実態でもって人事担当は『なんでも私に言ってください』と言い実際話を持ちかけたら『自分が担当ではない』と係長へ返し、係長はベルト着用許可調整はこのように人事担当から言われてやっと実施した次第であった。ごーるの面代さんへは『こんなことがあったけど世間的にはこんなものかな』と雑談できるだけで十分であったりもする。ほかのこともしかりである。とにかくごーるの面代さんが関与するのは会社にとって『餅は餅屋』で各種障がい者雇用に明るいとされるためだけである。バーム工場がごーるとのつきあいを持つのは障がい者雇用を世間に示したいためでありその体制が形式上整っていると世間に示したいという下心したごころのみである。

 らんどの有給消化も給料日締め日できちっと消化され、身体の衰えも退職理由として話していたため退職はすみやかに承認された。うつ症状があるためこのことでセーフティーネットを使おうと考えているが、このことは次節で明らかにしていこうと思うところである。

 最後は係長に感謝の言葉を述べたらんどであったが今後について一抹いちまつの不安を覚えているところだ。

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