第9話 社長のなぞ
「ショットガン!」「ソード!」
「これが私のスペシャルだ!」
ネガたちは最強のふたりに蹂躙されそのまま消滅した。
「やりましたね社長! クリアクリア!!」
「ふふ、久々に夢をしている気分だよ」
「ところでユキくん? キミはそろそろ起きるころなんじゃないか?」
「え? そういえばオレもう5つも夢クリアして、なんでデンユメから消えないんだ?」
「まさかとは思うが」
「遭難って……やつみたいですね……?」
「ふむ……。遭難は良くないことだが」
「時間制限が無くなったとも捉えられるな」
「社長はなんでそんな冷静に……。あ!!! というか社長はなんで消えないんでスか!??」
「言っていなかったか? 私も遭難しているのだよ」
「ええええ! 社長が!?」
「フ、そんなに驚くなよユキくん、私は遭難をしたくて遭難したようなものなんだぞ。何年もそのために夢魔の研究をしていたのだからな」
「夢魔? あの変態野郎のことですか……」
「ん……? 何があったかは知らないがユキくんは色々と特殊なようだな」
「まあ、そろそろ紹介してもいいだろう。起きろ!! ネーサ!」
突如、社長の身体から赤髪の女が透過するよう這い出てくる。
「んぅ……なんなのそーま……」
「全くこれほどダラけるとは夢魔失格じゃないかキミは」
「失格したのはわたしじゃないよそーま」
「フ、とにかくこの先キミにも働いてもらうからなネーサ」
「……仕方ないなあ……ん、そいつは?」
「協力者のユキくんだ」
「……ふーん、そ」
突然の、目の前で起こった事態にあっけに取られるユキ。
「あの社長? せつめいを……」
「私の夢魔ネーサだ。私が遭難しているのも彼女が原因だな」