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41.本物の化け物

 お今晩は。

 今回はミリス視点で進行していきます。

 ・・・なんだか本当に主要キャラよりも目立ってしまったなぁ。

 ポッと出のヴィラン役(悪役)だったのに・・・。

 まま、エアロ。

 今回は気持ち暴力的な描写が有りますので苦手な方はご遠慮いただいた方がと愚考いたします。


 宜しいですね?ではどうぞ本編をお楽しみください。 


 牢から本物の化け物が出て来た。


 少し前まで私は自分の事を化け物だと思っていた。

 それは思い違いだった。


 心が、思考が化け物だなんて人間一人一人の個性に過ぎない。

 私の眼に映っている存在はそんな些細な差異の次元にいない。


 私の体中から水分が片っ端から飛んでいくのを感じる。

 膨大な殺気、莫大な威圧感、絶望するほどの恐怖。

 それらが私の身体を蹂躙していく。


 化け物が私に一歩踏み出した。

 っと思ったと同時に私は胸部から背中にかけて衝撃を感じた。


 私は空中に投げ出されていた。


 胸部の衝撃は化け物の拳を受けたから、背中の衝撃は扉を突き破ったからだという事は分かった。

 普段の鍛錬の御蔭か、その所為か、不完全ながら咄嗟に身体を守ることが出来たが正直勘弁してほしい。

 意識も吹っ飛んでいればこんな化け物と死ぬ瞬間迄対峙しなくてよかったのに。

 胸の内側にある肉や内臓から悲鳴が上がる。

 恐らく肋骨が殆ど折れているか砕けて肉や内臓に刺さっているのかもしれない、口の中で血の味が広がっていく。


 そうして痛みに耐えて動き出そうとした時。


 ヤツが来た。


 化け物が放つ殺気の所為で、ヤツが動くたびに大地を揺らしている様な錯覚を受ける。

 

 心臓が、身体が、魂が警鐘を鳴らす。


 逃げろと?否!


 諦めろと。

 腹を括りただ静かに死を受け入れろと言っている様だった。

 

 私の頭がそんな結論を出した頃、声が聴こえて来た。


「・・・兄さん」


 咄嗟に私は走った。

 あの化け物の家族と思える人物の声が聴こえた方向に化け物から目を逸らさない様にしながら。

 反射とも言えるその行動に思考が追いついた。

 今しがた声を出した女性に助けを求める。

 それだけでも化け物の動きを止められるかもしれない。

 場合によっては説得する事も、うまくいけば和解する事も出来るかもしれない。


 懐にある医療用ナイフに手がいった。

 最悪、その女を盾もしくは人質にすれば・・・!?


 私の視界がガクンと下へと下がった。


 一瞬なにが起きたか分からなかった。

 殴り飛ばされた際の影響かと考えたが徐々に違うという事が分かった。

 私の軽挙こそが原因であると理解した。

 

 接触しようとした人物を見ていなかった。

 ただ目の前に差し迫っていた暴威に注視していた。


 だからその女が武装していることも、臨戦態勢でいることも、その後方にその女が守ろうとしている人物がいる事も見えていなかった。


 

 その結果私の左足は凄まじい勢いで振り下ろされた戦鎚によって、骨も肉も何もかもひと振りでグチャグチャに叩き潰されていた。

 

 


 今回もここまで読んで頂きありがとうございます。


 どんどんミリスがボロボロになっていきます。(悲)

 どうしてこんな事になったのか私にはわかりません。(心底悲しそうな顔で)


 次回はベンジェフ視点になる模様です!

 予定通りなら明日投稿です!

 ではっ!!

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