表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/73

3.騎士団長の非定常業務

今回、女官にするべきかメイドにするべきか悩みました。


「さて、どうしたものかな・・・」


 ラーゼント王国騎士団の頭目である、ベンジェフ・カーライル騎士団長は独り言ちる。


 聖女とは召喚された時の≪後遺症≫はあれども、決して人語を話せない訳ではないと彼は考えていた。

 しかし、今回召喚された聖女は誰がどう見ても人語を話せる状態ではない。それはつまり意思の疎通が歴代聖女と比べても困難であると如実に表されるだろう。


 自分達が守るべき聖女がどのような名前なのかすら分からないのだ。


 今現在件の聖女は事前に用意されていた聖女用の居室にいる。居室への案内は問題無く終わったのだ・・・が、本題はこれからだ。≪魔素溜り≫と≪魔獣≫についての説明、これから居室で生活してもらう上での世話係や警護の選出等やる事が満載である。

 本来、警護ならともかく世話係の選出や重要事項の説明等は宰相閣下や国の重鎮がやるべき事である筈なのであるが、聖女の姿に最も動じなかった事から騎士団長に白羽の矢が立ったのである。


 門外漢である自身にこれらの事を押し付ける臆病者の貴族全員への敬意をワンランク落としつつこの仕事を拝命したのだ。


 これが現在騎士団長を悩ませている事柄である。


 まずは自身の本来の仕事である聖女の護衛騎士選抜であるが、最初に取り組むべきは騎士団員各人の意識や価値観の見直しである。


 聖女を居室に案内した後にある二人の騎士が小声で・・・


「おい、今案内した化け物がマジで聖女なのかよ?」


「いや、有り得ねぇだろ。どう見ても化け物じゃねえか」


 ・・・という事を話していたのである。


 この騎士達にとっては自身の価値観に基づいて言った言葉だったのだろう・・・が、自分達の都合による召喚という行動によって元々生活していた場所から連れ去られ、更に≪後遺症≫という状態にまでされた聖女に対してその考え方は適切なのであろうか?

 

 騎士団長の答えは否である。

 

 もっとも彼らだけをどうこうすれば良いという訳でもなく、まず騎士団全員への注意喚起の為に自身の考えに基づく聖女の現状等と聖女に対する考えを説明し、各々で考えた上でそれらを後日に聴きそこから選抜する事にしたのである。

 故に護衛の選抜は改めて行うとして、当面は自身と前述の二名の騎士をメインとして各部隊長クラスの者を二人ずつを五日毎のローテーションで仮の護衛とした。

 二名の騎士に関しては今後の査定も含め何よりも自らの目で聖女について考えて欲しい為敢えて起用したのである。


 護衛の選抜に関しては暫くはこれで行くとして、次は世話係に関してである。

 

 これに関しては先ず現状について考えなければならない。居室への案内後は女官長であるエノール・フランシスが直接身の回りの世話をし、当初任命されていた女官は居室にはいなかったのである。

 何故ならその者達には聖女の姿は刺激が強すぎた様で、殆どが気絶や発狂してしまい、その惨状に女官長は自身の部下達の軟弱さと情けなさに憤慨し、自らが名乗り出たのである。

 騎士団長が生まれる前から王室に仕えていた彼女はとても老齢とは思えない程によく働き、その動きも全てが洗練されており無駄等一切無い。

 しかし、如何に優れた人間でもたった一人でしかも年々身体が衰え始めているのに、この先も身の回りの世話を行う事は難しいのである。ましてや世話をする相手が意思の疎通が現時点では困難な者ならば、肉体のみならず精神への負担は決して少なくはないであろう。


 騎士への説明を終えて、最初の五日間を担当する四人と共に聖女の居室に赴きその現状を把握した騎士団長は、数秒の熟考の後に四人中二人に女官長の補佐と残り二人に聖女の護衛を指示した後に、一通の文をしたためた。


 熟考の中、精神的にも強靭で目の前の老獪にもついていける程の体力の有る者で、聖女と同性である者をと考えた結果。


 騎士団長自身の妹とその友人達を任命する事にしたのだった。


 

・名前=???

 職業=聖女

 年齢=???

 血縁=???

 髪型=額から頭頂にかけては頭髪は見られない後頭部の外殻の継ぎ目から白い長髪が出てる。

 外見=四肢は細身、胸部に乳房有、触角有。〇面ラ〇ダーZ〇のド〇スを触角以外の突起を削いで乳房を付けたイメージ。身長170㎝後半

 色=口元から下の胸部、腹部にかけてくすんだ肌色、それ以外は黒地に緑の斑模様

 特技=???

 悩み=???


・名前=ベンジェフ・カーライル

 職業=ラーゼント皇国騎士団長

 年齢=35歳

 血縁=姉と妹がいる

 髪型=スキンヘッド

 外見=筋骨隆々。バ〇オ・ハ〇ード5のゴリスのイメージ。身長200㎝前半

 肌=薄い褐色

 特技=野戦料理、ハルバードによる戦闘(対人、対獣に対応)

 悩み=姉はともかく、妹が自分の様に逞し過ぎてちゃんと貰い手が出てきてくれるか心配


・名前=エノール・フランシス

 職業=女官長

 年齢=72歳

 血縁=生涯独身

 髪型=白髪のショートヘア

 外見=スレンダー。か〇くりサー〇スのルシールのイメージ。身長160後半

 肌=色白

 特技=読唇術、投擲術(日用品から暗器を含む)

 悩み=「後進が中々育た無いのは、自分が考える水準が高すぎるのでは?」と考え、水準を下げるべきか否かという事が悩み。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ