14.執行猶予とマリーの提案
今回はベンジェフ視点になります。
男視点が嫌いな方々におかれましては謝罪したい気持ちでいっぱいです。
『ホントウニ、モウシワケナイ』
後短いです。
はぁ。
陛下の執務室を出て暫く歩いてから溜め息がもれた。
マリーの聖女様に対する無礼な行為に関して、陛下から今暫くの猶予を頂くことが出来た。
尤も直に処罰しないだけで現在全ての国が抱えている魔素溜りと魔獣の問題を解決してから処分を検討するというだけである。
その処罰の対象もラーゼント王国の判例に准えて考えるなら・・・本来なら取り潰しも免れないだろう。
そう本来ならである。
マリーはカーライル家を出ていった、結婚でも何でも無く今は亡き両親から勘当されてなのだが。
マリー自身も自分が一貴族令嬢として相応しく無いと考えていたのか、勘当を両親から言い渡される間終始ご機嫌だった。
そんなマリーの様子が両親にとって不可解だったのだろう、満面の笑みのマリーが屋敷を壊しながら追い掛けて来る夢を見続け、マリーの勘当から僅か半年足らずで、両親が衰弱死した。
何故にそのような罪悪感を感じるならあの様な勘当を?
と思っていたのだが今思えば妥当だったのでは?
と感じてしまう。
とりあえずはカーライル家を自体には余りお咎めは無さそうである。
しかし、当のマリーはそうはいかない。
だから再び同じ様な事が起きない様に気を付け、少しでもマリーの処罰を軽くして貰える材料を集めなければならない。
これは聖女様の女官として推薦した俺の責任でもあり、なによりもマリーは俺の妹だ。
これ以上何も問題が起きない様にしっかりサポートをしよう。
俺は決意を新たに護衛騎士の部屋に戻っていった。
そしてマリーの問題行動から四日後の今朝、エノール女官長とマリーがやって来た。
「ベンジェフ騎士団長、マリーから聖女様に関して提案が御座います」
当のマリーは自信満々といった笑顔を浮かべている。
だからこそ慎重にエノール女官長に訊いてみた。
「それはどういった内容でしょうか?」
「聖女様に我が国の文字を覚えて貰おうと思います」
俺は心の中でソッと願った。
何事もありません様にと。
ここまでの音読本当に有難うございます。
今回なのですかPCの調子が悪いためスマホで投稿しております。
慣れない環境ですのでいつも以上に誤字脱字や入力ミスがあるかもしれません。
もし発見されましたらご協力頂けると有り難いです。
さて次回はマリー視点でのお話の予定です。
次回もよろしくお願いします。