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1.戦場 ★

 ――ああ、俺は死ぬのか。


 目の前には黒い陽炎のような何か・・。それは人のような形をしていたが、その体格は俺の2倍あった。

 全身真っ黒で頭部と思われる部分には赤い色をした瞳らしき物が2つ。殺意を持ったソレが、今まさに俺目掛けて腕を振り下ろそうとしていた――。


 なんでこうなってしまったのか、先程までの光景を無意識に思い出した。


 目が覚めた時、広い荒野で横たわっていた。だが、そこはただの荒野ではなく沢山の人の死骸と血なまぐさい匂いがする戦場だった。


 甲冑を着た人間が無数の黒い何か・・と戦闘を繰り広げている。突然のことで何が何やら分らなくなり、全身から嫌な汗が噴き出す。


 あり得ない。何故なら俺は先程まで大学で講義を受けていたからだ。単位習得を満たすためだけに取った授業。さほど興味もない内容を子守歌に、親父の形見のペンダントを弄っていた。


 その時だ。突然ペンダントの宝石が輝き出し、気づいた時にはこの場所にいた。


 何かの気配を感じて振り向いた時、煌びやかな甲冑を着た金髪の女の子が居た。いや、居たという表現は語弊か。女の子は今まさに俺目掛け手を伸ばそうとしている所だった。

 だがその手は届くことは無く、代わりに女の子が真横に吹き飛んでいた。いつの間にか現れたもう一体の黒い何か・・に殴り飛ばされていたのだ。


 視界の端に長剣が宙を舞っているのが映る。そして一拍置いて地面に突き刺さった。


 突然現れた死の暴力に体が震え始める。


 その時、悟ったのだ。


 ――ああ、俺は死ぬのか。



 ◇



 戦が起きる数時間前――。

 アストロ大陸の東側に位置するエルドラル国――。


「陛下ぁっ!! リーナ女王陛下ぁっ!! 大変ですじゃー!! 一大事ですぞー!!」


 王宮内にしゃがれ声が響き渡る。深い緑色のローブを着ていた白髪白髭の老人が王宮内を走り回っていた。


 老人は目的の王の間に辿り着くと、ゼイゼイと息を切らしていた。


「うるさいぞ、爺。で、何があった? 大体想像は付くが」


 王の間に可愛らしい声が響き渡る。王座に鎮座するは金髪の少女だった。リーナ女王と呼ばれた少女の容姿は小柄。髪型はウェーブで肩まで掛かっている。可愛らしい顔とは裏腹にその表情は険しかった。


 本来、そこに座る国王は既にもういない。


「異界の魔物が出現し我が国に進行し始めました。見張り塔からの連絡ですと3時間後にはガゼル荒野まで接敵するとのことですじゃ」


「前回の戦闘から2週間か。出現する間隔が短くなってきておるな。爺、他国への応戦の要請はどうなった?」


「はっ! ウェルズ、ノルム、ダラスの3か国とも自国を守ることで手いっぱいだと」


「だろうな。せめて父上が生きていてくれればな」


 少女は深く息をつきながら王座に背を預ける。


「リーナ様、国王様の死を悲観している暇はございません。国王様亡き今、『魔剣』を扱えるのは正統な血筋であるリーナ様のみです。そしてこの国を導くのは女王様です。どうか、異界の魔物を討伐するまでは御辛抱くださいませ」


 少女の隣にいた従者が優しく諭すように語り掛ける。


「ああ、分かっているさメイ。分かっているとも。我が祖は英雄エルダイン。魔剣『イグニス』の継承者として私は国民を守る義務があるのだ」


 リーナと呼ばれた少女は軽く微笑むと王座から立ち上がり、凛とした表情へと切り替わる。


「騎士団長、魔術団長!!」


「「「「 はっ!! 」」」」


 王の間に整列していた20名の各団長が一斉に跪き頭を垂れる。 


「これよりガゼル荒野まで進軍する。最低限の守りは残し、直ちに出撃の準備をせよ!!」


「「「「 はっ!! 」」」」


 凛とした声が響き渡ると、各団長たちは自分たちの仕事を全うするべく王の間を出て行った。


「メイ、『魔剣』と私の鎧の用意を」


「はっ! かしこまりました」 


 リーナは顔を上げ、王の間の天井を仰ぎ見る。そこには英雄エルダインと4本の『魔剣』の姿が描かれていた。


(皮肉なものだな。英雄エルダインの子孫とは言え、1000年も経てば血筋は薄れる。祖に封印されし魔物は復活し、その力は健在)


 天井の絵画から視線を外し、己が両手を見つめ思案に暮れる。


(他の3か国の継承者も苦汁を飲んでいるだろう。だが、彼女らはよくやっている。血は薄れども、祖は大陸を救った英雄エルダイン。

 同じ子孫として私も挫ける訳にはいかぬのだ。父上、私にどうか力を貸してください――。)


 リーナは顔を上げると、自室へと向かっていった。



 ◇



 王都の西城門より更にその先、広い荒野の上に騎士隊が整列している。聖騎士部隊・魔術師部隊。総勢二千人。その各部隊の先頭にリーナが立っていた。

 遥か先には黒い陽炎のようなものが蠢いている。空に開いた異界の穴から落ち出た異形の魔物だ。その数は数百にも満たない。だが侮ることなかれ。


 一体の強さは騎士3人分に匹敵する。リーナは静かに魔物の大群を見つめる。


 彼女にとってはこれが初めての戦になる。さきの戦いまでは国王である父が兵を率いて異界の魔物どもと戦っていたのだ。だが、その父親はこの世にはもういない。


 リーナは代々受け継がられてきた『魔剣』を鞘から抜き取り、高く掲げると刀身から炎が迸る。己が自身を鼓舞するがごとくリーナは『魔剣』の力を解放する。


「聞け皆の者! 目の前には我らが怨敵である異界の魔物! 国王亡き今、此度の戦に不安になる者もいるだろう。我らは大人しく奴らに蹂躙されるべきか。否ッ!! そんなことが断じてあってはならない! 我らは何のために戦うのか! 隣にいる戦友のため、帰りを待つ家族の為、国にいる民を守るためだ! 

  英雄エルダインの意思は『魔剣』と共に受け継がれている! 我と共に化物どもを打ち倒そうぞッ!!」 


「「「うおおおおおおおおおおおおおお!!」」」


 リーナの言葉に部隊全体が雄叫びを上げ、士気が高まっていく。聖騎士は剣を、魔術師は杖を天高く掲げている。その瞳に宿す光は絶望に抗うとする強さが秘められていた。


「我に続けぇっ!! 進軍開始ぃっ!!」


「「「うおおおおおおおおおおおおおお!!」」」


 騎士達は一斉に雄叫びを上げて走り出す。各々武器を携え、あらん限りの声を上げて。二千人の騎士・魔術師達が蹴り上げる大地の地響きは獣の咆哮のように響き渡った。



 ◇

 


 エルドラル国で異界の魔物との戦闘が起きた時刻――。

 アストロ大陸の北側に位置するノルム国では、異界の魔物との戦闘を終えたところだった。


「皆さん、私たちの勝利ですわ!」


 大草原の真ん中で一人の少女が腕を上げ勝利の咆哮をあげる。その姿は茶髪のツインテールで可愛らしい顔をしているが、その掲げる手には『魔剣』が握られていた。

 彼女こそノルム国の女王、風の魔剣『アウラ』の継承者・シャルウィ=ノルムである。女王とは言えまだ十代。リーナと同い年である。


 シャルウィが勝利宣言を上げると、兵士たちから歓喜の雄叫びが響き渡った。その様子を見届けると、彼女は微笑みその場を後にした。


 少し離れた場所にある駐屯所に戻ると通信用クリスタルの前に立ち、城に異常がないか宰相へと連絡を入れる。

 クリスタルに特殊な魔法陣を刻むことによって、離れた相手と会話ができる代物であった。ただし、対になるクリスタル同士しか使えない。


 現代の技術でいえば、通信チャネルが固定化されたテレビ電話みたいなものだった。シャルウィが魔力を通すと、クリスタルが淡く輝き出す。


「終わったわ。そちらの様子はどう? 問題は起きてないかしら?」


 シャルウィが呼びかけると、貫禄のある老人の顔が映し出された。


『御無事で何よりです陛下。はい、こちらは問題有りません』


「そう。ならいいわ」


 通信を切ろうとしたが思いとどまる。


(そう言えばリーナは大丈夫かしら……)


 エルドラル国のリーナ姫とは幼い頃からの仲であった。数週間前にエルドラル国王の訃報を聞き直ぐさまにリーナの元へと訪れようとしたのだが、その時になって異界の魔物が出現したのだ。

 普段の戦であれば数時間で終わる。異界の魔物は各国の領土上空に開いた穴から生まれてくる。全部で4つ。やつらは黒い穴から流れでる黒い液体から形を持って生れてくるのだ。


 そしてそのまま進行してくる。だが、今回の戦は違った。此方に進行してはこず、穴の真下で蠢きひしめき合っていたのだ。穴に向かって何かを求める様に――。

 シャルウィは厳戒態勢のまま様子見ることにした。攻撃してこないうちに攻め入れようかと思案したが止めるに至った。穴の真下で戦闘するには危険すぎると。 


 そして今日、動かなかった魔物どもがノルム国へと進行してきたのである。


「ディル。リーナ……いえ、エルドラル国は今どのような現状でして?」


『……はっ。エルドラル国の姫君が即位し、『魔剣』継承の儀を行った模様です。そして先刻、異界の魔物の進行を受けていると通信が入りました』


「なんですってっ!? どうしてそれを早く言わないの!」


『陛下。まずは自国の民を守るのが最優先です』


 ディルと呼ばれた宰相はそれ以上多くは語らない。シャルウィも理解はしている。他国に加勢するほど余力はないと。


 だが、頭では分かっていてても心がそれを許さない。国は違えど遠い祖先からの血の繋がり、そして何よりリーナはシャルウィの友人であった。


「わかっているわディル。女王としての責務は果たす。でもね、一人の友人として彼女を助けたいの。私一人でもいい。だからお願い」


 シャルウィはじっとディルの瞳を見つめる。その瞳に根負けしたディルはため息を吐いた。


『はぁ……。まったく、シャルウィ様は亡き母君の性格にそっくりですな。爺の負けです』


 その声はどことなく優しい口調であった。


「ありがとうっ! ディル!!」


『ただし!! 必ず生きて帰ってきてください』


「ええ。分かっているわ」


 シャルウィは力ずよく頷くと数名の騎士を引き連れ天幕をでる。


 馬であればエルドラル国まで数日掛かるが、ノルム国には他国にはない乗り物があった。


「グリフォンの用意をっ!!」


 シャルウィの一言で数体のグリフォンが連れてこられる。


 ――グリフォン――


 空を飛ぶ4足魔獣。鷹のような鋭い頭、馬のように逞しい4足体格、その背中には鳥のような大きな羽が生えている。


 ノルム国に生息する生物で、空を飛ぶ乗り物として重宝されている。


(グリフォンならば一亥程でエルドラル国まで着ける。リーナ、今すぐ助けに行くわ――)


 シャルウィはグリフォンに跨ると、エルドラル国へと出立した。



 ◇



 エルドラル国と異界の魔物の戦争が始まって一時間――。


 ガゼル荒野では激しい攻防が繰り広げられていた。騎士たちは四人一組フォーマンセルのフォームで魔物と闘っている。騎士一人一人の戦闘力は高い。

 だがそれ以上に異界から現れた魔物が強い。故にチームを組んで互角に渡り合っているのだ。魔物の攻撃を盾で防ぐ者、その隙をついて攻撃をする者。


 それぞれの騎士が連携を組み戦場を押し進む。遥か奥からどんどん進軍してくる魔物に対しては、後方に控えている魔術師部隊が遠距離魔法でダメージを与えていく。

 最初は優勢だったが、徐々にエルドラル国側の進撃は緩んでいく。時間が経つにつれ、疲労や蓄積されたダメージが彼らを襲う。


 一人、また一人と倒れていく。しかし彼らは諦めない。一人の少女が最前線で懸命に戦っているのだ。『火の魔剣』継承者リーナ=エルドラル。


 16歳にしてエルドラル国の女王。


 彼女は『魔剣』の力を扱いきれていない。リーナが扱うは『火の魔剣』。刀身に炎が迸っているが、先代国王の熱量と大きさには程遠い。


「くっ! せやぁぁぁ!!」


 リーナは諦めない。一振り一振りの威力は弱いが、確実に魔物を仕留めていく。リーナの周りには女王を護ろうと騎士たちが己が身を犠牲にして盾に徹する。


 だがそれでも、全ての攻撃を受け止めきれずリーナも傷ついていく。


 一人の騎士がリーナの前面に躍り出て盾で攻撃を受け止める。


「陛下!! 陛下は一時後退を!! 前線は我々が維持します!」


「ならんっ! 余は引かぬぞ! 今引けば士気が下がる! それに余はそなた達を置いて引くつもりはない」 


「ですが陛下ッ!!」


「だから引かんと――――」


 構えを取りながら騎士とやり取りしている時、上空から一筋の光が前方の一面へと降り注いだ。大きな爆発と共にその場にいた異界の魔物が消し飛んでいった。


 リーナたちは魔術師部隊の魔法攻撃の類かと思ったが違った。その爆心地には一人の青年が倒れていた。


「なっ!! 人!?」


 リーナたちは混乱した。今の光は人だったのだ。

 倒れている青年はピクリとも動かない。死んでいるのか。そう思った時、青年がフラフラと立ち上がった。


 生きていた。安堵したと同時に、一匹の魔物が彼へと襲い掛かっていく。青年は気づいていない。リーナは咄嗟に駆けだした。


 彼を助けなければ。そう感じたのだ。直感的に――。


 爆発的な速度で彼へと走る。リーナの一撃では魔物は倒せない。だから、彼女は彼へと手を伸ばした。彼を引っ張り上げる為に。


 青年が此方の気配に気づいたのか、後ろを向きリーナと目が合った。


 その刹那――。


 リーナは横からの衝撃で吹き飛ばされた。


「かはっ!!」


 数メートル飛ばされ、地面を転がり、地面からむき出している岩場へとぶつかる。


「ぐっ!! けほっ、けほっ……」


 リーナは直ぐさま自身の状態を確認する。全身に痛みは走るが、骨は折れていない。


「はぁ、はぁ……」


 何とか半身を起き上がらせる。


(今の一撃でよく生きていられたものだ……。これも『魔剣』の能力の一つか。継承者を守る力)


 『魔剣』に感謝しつつ立ち上がろうとした時、手元にあるべき物がないことに気づいた。


(魔剣がない!? まさかあの時に――!)


 気づいたように青年の方へと視線を向けた時――――。


「……うそ」


 リーナは信じられないものを見た――。


 

 ◇



 ――ああ、俺は死ぬのか



 目の前には黒い陽炎のような何か・・。それは人のような形をしていたが、その体格は俺の2倍あった。

 全身真っ黒で頭部と思われる部分には赤い色をした瞳らしき物が2つ。殺意を持ったソレが、今まさに俺目掛けて腕を振り下ろそうとしていた――。


 何かの気配を感じて振り向いた時、煌びやかな甲冑を着た金髪の女の子が居た。いや、居たという表現は語弊か。女の子は今まさに俺目掛け手を伸ばそうとしている所だった。

 だがその手は届くことは無く、代わりに女の子が真横に吹き飛んでいた。いつの間にか現れたもう一体の黒い何か・・に殴り飛ばされていたのだ。


 視界の端に長剣が宙を舞っているのが映る。そして一拍置いて地面に突き刺さった。


 突然現れた死の暴力に体が震え始める。


 その時、悟ったのだ。


 全ての動きがスローモーションに見えた。


「う、うわああああああああああ!!」


 今振り下ろされる渾身の一撃に俺は恐怖のあまり腕で顔を覆った――。

 強制的な死を覚悟して目をつぶってから、一秒、二秒と時間が過ぎていく感覚が体に感じた。


 いつまで経っても衝撃は訪れない。


 実はあまりの衝撃の強さに、痛みを感じずに死んでしまったのだろうか。

 恐る恐る目を開けると信じられないものを見た。


 炎で描かれた文字列のような紋章が空中に浮かび上がり、化け物が振り下ろした腕を防いでいた。


 力と力が反発しあい火花が散る。


「な、なんだこれ……」


 助かったのかとそう思った瞬間、横から熱気を含んだ風が吹いた――。


「大丈夫か坊主――」

挿絵(By みてみん)


 声が聞こえた方へと向くと、いつからそこにいたのだろうか。燃え盛る剣を手にした赤髪の女性が立っていた――。


 その美しい姿に、彼女以外の世界が真っ白く色あせた気がした――。


 燃えるような色鮮やかな髪の女性に目が離せなくなる。


「懐かしい気配を感じたから起きてみたが、随分と楽しいことしてるじゃねぇか」

挿絵(By みてみん)


 どことなく楽しそうな声で彼女は言う。


「んー? バイパスが2本? ありゃ? どういうこった?」


 彼女は俺の方へを見た後、少し離れた所で岩に寄りかかっている金髪の少女の方へとチラリと見る。


「んー、話は取り合えずこいつらぶっ潰してからにするか」


 楽しそうだった表情が凛とした表情へと切り替わる。


 その刹那、彼女の握る剣から膨大な熱量の炎が巻き起こった――。

挿絵(By みてみん)

 


 あまりの炎の激しさに見とれてしまう。


「さぁ、始めようか――!!」


 炎を纏った彼女が駆けだした――。

 



脳内で赤髪の女の子のCVは『かわしまりの』さん(*´ω`*)

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