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時空間魔法で異世界旅行記  作者: 紙紙紙
6/34

森を抜け街道へ

11/22 7:30ラスト変更しました。

 次の日の朝、マモルたちは朝食を終えると今後の予定を話し合う。

 ベラから聞いた五つの国の事をマモルは思い出し、マモルの右膝に座っているベラと反対側の左膝に頭を乗せているククリに言う。


「とりあえず、王国カンシャスに向かおうと思うけど、どうかな?」


 異世界知識がないマモルは一番安全そうな王国を選ぶ。


「いいと思います。この森は既に王国の領土になるので王国の都市に向かいましょう。

 それですと……ここからだと歩きで三、四日掛かる距離になるので途中にあるスーリンガって言う街で馬車に乗った方がいいですね」


 ベラの言葉にマモルは何で知っているんだという疑問が浮かび尋ねる。


「なぁ、ベラって湖の時やクリスタルホーンラビットの居場所とかわかるし、それに王国までの距離や行き方なんか何で知ってるの?」


「あ、言ってませんでしたね。私も神様から力を授けて貰ったんですよ」


 照れながらベラは言う。


「どんな力を貰ったんだ?」


「私が授かったのは回復魔法とワールドマップの二つの力です!」


 ふわっと空中に飛びマモルの前でドヤ顔をするベラ。


「回復というと昨日ククリを治した時に使った魔法か?」


 マモルは暖かい光を放つベラを思い出す。


「そうです。ただ、私の魔力が少ないので連続で使えないんです……」


「そうなんだ……も、もう一つのワールドマップってどんなのだ?」」


 微妙な空気になってしまった為マモルは急いで話題を変える。


「ワールドマップは私の視界に四角い半透明な地図があって、それを見ながら魔物の位置や街までの距離や最短で行ける方法とかが分かるんです」


「そうなんだ! ベラの力も凄いな!」


「そう、ですか?」


「うん、すごいよ! ベラがいなければ俺はずっと森で迷子になっていたってことでしょう? 本当にすごいと思うよ!」


 早口で喋るマモルをみてベラはくすくすと笑う。


「お気遣いありがとうございますマモルさん。では、そろそろ向かいましょうか」


「そうだな」


「ワフ!」


 ベラはマモルの肩に座り、ククリもベットから下りマモルが立ち上がる。

 出入り口の扉のドアノブを捻るとふとフリーズで時間を止めたままの三人組のことを思い出す。


「あの三人組ってまだいるのかな?」


 いたら面倒だなと思ったマモルはベラに尋ねる。


「周囲には反応はないですね。」


 ベラの返答に安堵するマモル。


「よし、じぁ行くか」


 そう言いドアノブを捻り扉を開ける。少し雲が多い青空。太陽の日差しが水の反射によって湖は一段と幻想的に見える。マモルたちはそんな光景を堪能した後、森に入りベラの案内に従って街道目指す。


「そうだマモルさん」


 マモルの肩に座っているベラが話す。


「ん?」


「この世界の魔法ついて話してませんでした、聞きますか?」


「うん」


 ただ森の中を歩いているだけなので暇していたマモルは肯定する。


「わかりました。

 では、先ずは属性ですね。基本的な属性は火、水、土、風の四属性です。その四属性から派生した氷や雷などあります。他にも光や闇もあります」


「多いんだね。俺の時空間魔法ってどれに属しているんだ?」


「それはですね」


 ベラは一拍おいて言う。


「どの属性にも属していません!」


「え、そうなの?」


 予想外の答えに驚くマモル。


「はい、時空間魔法はこの世界には存在しないのです。マモルさんにしか使えないオリジナル魔法、よってどの属性にも属していないんです」


「そうなんだ……俺しか使えない魔法……」


「それにマモルさんの想像次第で強くなります」


 ディメンションホームのチートっぷりを思い出し改め時空間魔法の強さを再認識する。


「じゃ、あんまり言いふらさない方がいいな」


 面倒ごとは出来るだけ回避したいマモルは思う。


「あ、マモルさん! もうすぐで森を出ますよ」


 色んな話ををしていると森の出口が見えてきたことをベラ言う。

 森を抜け草原がマモルたちの目の前に広がる。微風がマモルの頬を撫でる。


「風が気持ちいいな……」


 マモルは真夏の東京じゃ味わえない涼しさを感じる。


「この世界はマモルさんの世界と同じで四季がありまして、今は春になります」


「そうなんだ」


 マモルは異世界の風景を楽しみながら街道を進む。


「誰か!!誰かっ!!」


「待てぇ! 追えぇ! 逃がすなああ!!」


 しばらく歩いていると前方から桜のような薄いピンクのロングヘアーのローブを着た女性を追いかけている野蛮な人たちが見えてくる。


「あっ!」


 女性は石に躓く。そのせいで野蛮な人たちに追いつかれる。


「もう逃げれねぇぞ」


「たっぷり遊んでから仲間たちの後を追わせてやるよ!」


「ははっ!、楽しみだぜ!」


 野蛮な人たちは徐々に女性に近づく。


「こ、こないでください!」


 恐怖が込み上げ思わず涙目になり必死の抵抗する女性。


「だ、誰か! 助けて!」


 もう駄目だと女性は思った時、黒い塊が一人の野蛮人に突っ込み吹き飛ばす。


「ぐはっ!」


「なんだ!?」


「グルルルルル!」


「何でここにブレードウルフがいるんだ!」


「グルルルルル! ガウ!!」


「ひっ!」


 ブレードウルフの威嚇に野蛮な人たちは一歩引く。マモルは座り込んでいる女性にそっと近づく。


「大丈夫ですか?」


「あ、なた、は?」


「おい! どこのどいつだお前!」


 野蛮な人が突然現れたマモルを見つけ怒鳴る。マモルはそいつらに睨めつける。


「ククリ」


「ワフ!」


 マモルが呼ぶとククリはマモルのもとに。そして、野蛮な人たちに威嚇する。


「お前が飼い主か! ブレードウルフは金になるから生け捕りにしろ! 男は殺せ!」


 野蛮な人たちは武器を持ち近づく。


「逃げてください! あなたまで死んでしまいます!」


「大丈夫、安心して」


 マモルは女性に優しく言う。


「殺っちまえお前ら!」


 一人が合図を出す。そのタイミングで新しくベラから教わった魔法をマモルは唱える。


「スロー!」


 野蛮な人たちの動きが一段と遅くなり止まっているように見える。


「え、なんで?」


 不思議な光景を目の当たりにした女性は目を丸くして驚く。

 続けてマモルは自分と野蛮な人たちを範囲指定しもう一つ新たな魔法を唱える。


「クイック!!」


 女性に対しての発言と仲間のククリの発言にかなり怒りを覚えたマモルは容赦なく野蛮な人たちに加速させた全力の拳でぶん殴る。


「魔法解除!」


 そう言うとマモルの魔法は解かれ時間差で襲う。おかげで、野蛮な人たちは吹き飛んで気絶する。

 マモルは清々しい顔をするのだった。


 ベラから教わった時間を遅くする魔法のスローと時間を加速させる魔法のクイックをマモル自身が使い方を実行させたのだ。


 助けた女性は口をあんぐりと開け驚いている事をマモルは気づいていなかった。



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