1章の1-1
「う……ん、こ、こは、どこ……だ?」
(確か、俺は警察から逃げて、そして――)
そこでガバリとリュウイチは飛び起きた。そして頭に手を当てる。額には傷一つなかった。
「俺は、あれからどうなったんだ?」
リュウイチがあたりを見回すと、そこには見知らぬ森が広がっていた。
「……」
自分の身に何が起こったのか。少なくともリュウイチの理解の範疇を超える出来事が起きたのは間違いないとぼんやりとリュウイチは思った。
「そういや、喉が渇いたな……」
どれくらい自分があの場所に転がっていたのかは分からないが、喉の渇きを覚えるくらいには意識を失っていたらしい。水場を探すように辺りを見回しながらリュウイチは考えた。
「とにかく水場に行けば自分が今どんな状態になってるのか確認もできるしな」
幸いにも特に怪我をしたような場所は見受けられなかった。
森の中を一歩一歩確かめながら歩き、リュウイチは湖を見つけることができた。手にすくってみたその水は透き通っていて喉を潤すだけなら問題ないとリュウイチは判断した。
「よしこれで、って、アレ?」
湖に顔をのぞかせたリュウイチは自分の見間違いかと目をこすった。そしてもう一度湖を覗き込む。そこに映っていたのは。
「エギル……? エギルの顔じゃねーかコレぇ!」
そこに映っていたのはバトルマスターワールドオンラインでリュウイチがメインキャラとして使用していたエギルのものだった。
マイペースでちまちま更新かけていきます。