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魔王の魔法
一応公式に模擬戦を行うようだ。模擬戦のルール説明がされる。
「使う武器は木の模造刀。相手に有効だと認められる攻撃を加えた時点で勝敗を決めるものとする。双方準備はいいか?」
「「おうっ!」」
「はじめっ」
博多は突っ込んで来る。剣術で圧倒できる自信があるようだ。事実その認識は間違いではない。実際俺は防戦一方である。フェイントすらないただの連撃。それですらも俺には防ぐことが精一杯であった。鋭い踏み込みからの切り上げ。それを防いだ俺の剣ははじきとばされ宙を舞う。止められることのない連撃。剣が目前にまで迫ったその時、俺は魔法を唱えた。
______身体強化-フィジカルブースト-
刹那、俺は音を超えた。剣を避け空に舞う剣を握る。後ろに回った俺は博多の胴目掛けて剣をなぎ払った。吹き飛ぶ博多。一瞬の静寂の後、俺の勝利を告げる審判の声が響いた。
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