その一・ペルセポネさんの日常
下界時間・朝7時起床
「ふぁぁぁ...外界はもう朝ですか。私も仕事をしなくてはなりませんね」
目の前のモニターに目を通す。これが、大抵の神の仕事、下界を見るだけ
「しかし、人間も毎日同じ行動をして飽きないんでしょうか?」
あ、またこの人お酒を朝まで飲んでる。奥さんとかは心配しないんでしょうか...この子は、うわぁ...朝から兄弟喧嘩ですか...まぁなんだかんだいって平和ですかね
「さてさて、あいつは何してますかね」
モニターの映像をギルドに移す。そして、ギルドのマスターのルーカスの観察を始める
「あれ?まだ寝てますね...昨日何か特別な仕事してましたっけ?うーん...あ!そういえば昨日はルクス達が転職した日でしたね。にしても、疲れているからといって朝なのに寝てるのはどうかと思いますけどね」
ここからだと何もできないのが残念ですね...かといって下界に降りてもいい時間じゃありませんし。
諦めながら観察を続けていると、ルーカスが起き上がる。そして視線を感じたのか、モニターに映像を送っている見えるはずのないカメラに視線を移す
「ペルセポネ...見てるんだろ?」
「なんで毎回毎回分かるんですか...」
ルーカスにしか聞こえないように、テレパシーを送る
「なんとなくだよ。お前も毎回飽きないな」
「飽きてますよ...午前中は特に」
「他のマスターでも見に行けばいいじゃねーか」
「それができたら楽しいんですが、神ごとに決まってるんですよ。見られる町が」
「じゃあせめて俺を見るな。視線を感じて眠れない」
「うーん、下界に干渉しすぎるとまた、いろいろ言われますし今日だけはやめますか...」
「おいまて、いま今日だけって言ったか?」
聞かれたことにはあえて答えずに他の人達の観察を始める
下界時間・正午12時
「さてそろそろ行きますかね」
モニターの椅子に掛けておいた、ローブを服の上から来て、下界に降りる準備をする
「今日のご飯はどこで食べましょうか...」
天界だとご飯が食べられなくて下界で食べていますが...まだ行ったことのない店はありましたかね?
まだ見ぬ店を探して歩いていると、ミルンとルクス達がこの前に行っていたお婆さんの店にたどり着く
「今日はここで食べますかね」
店のドアを開けると、厨房から店の店主のお婆さんが出て来る
「こんにちはぁ。よく来たねぇ、神様」
「?!...お婆さんなぜそれが分かったんですか」
「雰囲気でだよぉ。圧倒的に他の人間とは違うからねぇ」
「さすがですね...ルーカスのお師匠様ってだけはありますね」
「まぁだからと言って何か言うわけじゃないんだけどねぇ。大事なお客様だからねぇ、ゆっくりとご飯を食べていきなぁ」
「ありがとうございます」
「ごちそうさまでした。美味しかったです」
「うんうん、またおいで~」
さて、次は...ツクちゃんと買い物の予定でしたね。待ち合わせに遅れると迷惑ですし、先に行きますか
下界時間・13時30分
「遅いですねツクちゃん...」
「ごめん遅れた~」
同じローブに身を包み、前から歩いてくる白髪の女性はツクちゃんことツクヨミ。朝には弱いらしく、大抵待ち合わせに遅れるが、夜に誘うと一秒とずれずに来る
「なれたので大丈夫ですよ。さて、行きましょうか」
「うん。まずどこに行く?」
「服とか見に行きませんか?」
「いいね、そこで着替えちゃおうか」
「ここは、ペルルんの行きつけの場所なの?」
前に、ルクス達が来ていた服屋が気になっていたので来てみましたが...ちょっとワクワクしてきました
「いいえ、違いますよ。私のよく観察している人がここに行っていたので」
「よく観察してる人?ま...まさか!」
「好きな人とかじゃないですからね」
「なんだよかった~」
「変なこと考えてないで、行きますよ」
「やっとローブ姿から開放されたよ~暑かった」
「確かにあの姿だと暑いし、動きづらいですもんね」
「さて、これからどうする?」
「うーん、そろそろ時間ですし私は帰りますね」
「そっか。じゃあ私も帰ろうかな」
「それじゃあまた」
「じゃあね~」
下界時間・19時
「ふぅ...」
もうこんな時間ですか...帰ってくるのがちょっと遅くなってしまいましたね
「今日も特に異常なしと」
さて、そろそろ寝ますか...1000歳を超えたあたりから夜寝るのが早くなった気がしますね...
「明日は何かあるといいんですけどね...」