夏
数が多いので敬称は略させていただきました
作者名がないのは筆者の書いたものです
(発句)
油差す
汽車行く道に
茄子の花
黒鉄の肌
映ゆ青時雨
(片平久)
振り仰ぐ
浮かべる城は
海越えて
(悠蓉)
遥かな空に
浮かぶラピュタ
(peco)
雲の峰
少年の日の
清明き城
(片平久)
古城訪ねつ
蝉時雨聞く
照る日差し
城下に遊ぶ
夏休み
(peco)
麦茶沸かして
待つ我が祖父母
鄙の駅
見送る婆の
影薄れ
(片平久)
旅路はるけき
行くや祇園祭
都着き
夜、妖と
恋の影
(peco)
思ひ染めたる
人ぞ 神鳴る
(片平久)
別れ際
わが袖濡らす
夕立か
(悠蓉)
しとどに濡れる
我が単かな
行く人の
名前も知らぬ
仲なれば
(peco)
共に揺蕩ふ
夏の夜の底
(デリリウム・トレメンス)
川流る
夕涼みかな
舟あそび
翡翠のごと
君が眼差し
(片平久)
かんばせの
月夜に映える
微笑みに
(peco)
夜の短さを
嘆くぞ悲しき
日落ちて
見上げる空は
星涼し
(悠蓉)
天の川より
星屑跳ねる
(陽雪)
熱帯びて
心騒がし
旱星
(片平久)
明けて隠るる
想ひ淡くて
(peco)
縁側に
並んで食べる
西瓜かな
微笑む君に
陽もまた涼し
(ぷちミント)
笑う後
滴る山の
蝉の声
(片平久)
空澄み渡る
夕凪のとき
夕立に
降られて暑し
夏の夜
(特撮仮面)
釣瓶落としの
乙女の時間
(peco)
外見れば
童と貝掘る
乙女あり
寄せ来る波と
蟹戯れて
(悠蓉)
砂寄せて
波に洗わる
白き脛
(片平久)
跳ねる飛沫に
笑う日溜まり
(特撮仮面)
海原に
行く船を見る
かき氷
(挙句)
小さく息を
悩ましくはく
(ぷちミント)
(挙げ句の果)
二つの汽笛に
違いの旅路
(peco)
本来の作法には反しているところが多いのだけれども、とても楽しくできたのでそれはおいておくことにしませう