月影が笑う頃に
平成の世から、動乱の世へ。
度重なる不幸な出来事の末に、16歳を迎えたばかりの少女“八守 結詠″は見知らぬ世界に転がり落ちた。
見慣れない景色、絶対的な思想、異なる価値観。
平成とかけ離れた世界に戸惑いながら日々を送る結詠だったが、変人の町医者“氷方”とチャラい色男“志摩”との出会いを境に少女の不確かな日常は非日常へと染まっていく。
交差する思想。迫る戦乱。
自分の存在した世界に戻ることも、逃げることすらも許されない。
そんな少女に残された道はただ一つ、戦うことだった。
「────────僕は、貴方方と最期まで」
その日から約一年半。
終戦を迎えるまで、少女は一振りの刀と一つの約束を共に時代を駆け抜けた。
記録に残ることない戦乱の世で結詠が見たものとは。
序章
2015/08/03 00:40
(改)