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第9話 竜伐の戦女神

一応、修正しました。

エターロへ向かい、2隊の騎士隊が駆けていく。


第4隊が、命令を無視し出撃した後すぐに第3隊が王国を出たが第1隊と合流せよと伝達が来た。

渋々、レイナは第1隊と合流した。


お陰で、時間が浪費したのである。


「まったく。よくも、わたくしを出し抜きましたわね!だから、ローズ家の人間は、・・・・。」


隊の先頭を駆けている白鳳凰騎士団第3隊のレイナが、ヒステリック気味に悪態を付いていた。


「レイナ、文句を言っても始まらないよ。」


そこに、レイナに追従していた男性が言った。


「文句とは、何の事ですの?第1隊騎士アーク隊長。」


レイナは、横目で男性を睨んだ。


「文句じゃあ、無かったなら謝るよ。」


アークと呼ばれた男性は、軽く受け流した。


白鳳凰騎士団第1隊騎士隊長 アーク リングは、シエラとレイナの同期だ。


剣術や魔法は、シエラ達二人にもひけをとらない。


しかも、茶髪で精悍な顔つきいわいるイケメンであるから女性にモテる。


「でも、シエラは。彼女は、俺達の同期生だろう?心配じゃあ無いのか?」


アークの質問に、レイナは馬の手綱を強く握った。


「心配!?冗談じゃあ、ありませんわ!なぜ、わたくしがローズの人間を心配しないといけませんの!?」


レイナは、声を高くし激怒した。


「・・・なにせ、あの子がそう簡単に死ぬ訳無いですわ。」

「・・・レイナ。だが、今回の相手は地竜だ。流石の彼女でも・・・」

「地竜なんかに、殺される訳無い。だって、わたくしとの勝負はまだ着いて無いのだから。」


アークの言葉を遮り、レイナは前に向き直るなり自分にいい聞かせかるように呟いた。


アークの言葉を遮り、レイナは前に向き直るなり自分にいい聞かせかるように呟いた。


アークは、レイナの後ろ姿を見つめこれ以上は無粋と思い微笑んだ。


一番、シエラを心配していたのはレイナだった。


「アーク!何を笑っていますの?」

「別に、なんでも無い。」


二人の会話は、エターロに近づくにつれ無くなっていく。


廃墟とかした都市、おびただしい死体。


そして、第4隊の無惨な状態。


それが、脳裏に浮かぶ。

(わたくしの許可なく死ぬなんて、絶対に許しませんわ。)


しかし、二人が見た光景は廃墟どころか何事も無かったような街並みだった。


「どういう事ですの?地竜の、情報はデタラメだったの?」

「・・・・俺に聞かれても、わからないに決まっているだろう。」


エターロに入り、二人はあることに気付いた。


「・・・・、人がいない。」


避難しているのか?と思ったが。


「いいえ、違いますわ。確かに、痕跡はあるけど・・・・。」

「ここに来る途中、誰にもすれ違っていない・・・・か。」


レイナは、アークの言葉を肯定した。


安全な場所に避難するにしても、必ず避難民を発見しなければおかしい。


まして、こちらは総勢200人からなる合流騎士隊である。


こっちが、気付かないにしても避難している住民が発見して助けを求める筈である。


「レイナ騎士隊長!住民を発見しました。」


レイナが、探査に向かわせた騎士が頭を下げ報告した。


「それで住民は、どこにいるの?」


レイナの問いに、騎士は何と言っていいのか解らないような表情をした。


「それが・・・。住民は皆、北の城門に集っていまして。何というか。」

「はっきり、しなさい!」


口ごもる騎士に、レイナは一喝した。


「は・・はい!住民は皆、呆けた表情で城門の外を見ていました!」


騎士の話しを聞きレイナ達は、北城門に急いだ。


門が開きそこには、おびただしい人々。


城壁の上にも数え切れない人がいた。


報告があったように住民は皆、口を開け茫然と立ち尽くしている。


レイナとアークは、隊を残して城門に近寄った。


そして、人混みを掻き分け城壁に登った。


「何があった?地竜は、どうしたんだ?」


アークは、住民の一人に声をかけた。


「まるで、"竜伐の女神"だ・・・。」


しかし、住民は意味不明な事を言う。


「??何を言ってるんだ?」

「貴方!何を言っているの?はっきり、もうしなさい!」


苛立ちを隠せないレイナは、怒鳴った。


それでも、住民は心あらずだ。


アークは、周辺を見渡した。


「叔父上!レイベス叔父上!」


アークは、同じ様に呆けているレイベス侯爵を見つけた。


「叔父上、しっかりしてください!」


レイベスは、人混みの後ろで壁に持たれかかって座っていた。


アークは、レイベスの頬を数回叩いた。


「あっ・・・、アーク。」


レイベスは、我に返った様だ。


「侯爵様、何があったのですの?」


レイナは、すぐに質問した。


「はい・・・、地竜 グランドラゴンがエターロに現れたのです。」

「地竜が?しかし、叔父上エターロは無事ですよ?グランドラゴンは、何もせず立ち去ったんですか?」


アークの質問に、レイベスは首を横に振り否定した。


「違う。違うんだよ、アーク。地竜は、フォーグスに倒されたんだよ。」

「!?」

「第4隊に、ですって!」


二人は、驚愕しすぐに人の壁を掻き分け前に出た。


「「!?!?」」


そこには、仰向けに倒れ死んでいる地竜 グランドラゴンの姿があった。


騎士達は、地竜の周りに疲れた様に座っていたり寝っていた。


そして、朝日に照らされた地竜の上にはシエラがいた。


シエラは、グランドラゴンの心臓を突き刺した剣に両手を依託し両膝を付き祈るような姿勢で寝ていたのだった。


「奇跡だ。"竜伐の女神シェラジーク"様の様だ。」

「いや・・・、"シェラジーク"の聖女だぁ。」

「竜伐女神の聖女。」


住民達は、呟き始めた。


それだけ、神秘的な絵画ような光景だった。


どんな高名な画家にも、教会の壁画でもここまで感動できないだろう。


レイナとアークは、時間を忘れてこの"絵"に心を奪われた。




「タツミー!」


いつもの夢。


そこには、瀬川 龍巳がいた。


「シエラ!」


瀬川は、駆け寄って来たシエラの名前を呼んだ。


シエラは、瀬川に飛び付いた。


「おわぁ!」

「タツミ、タツミ、タツミ、タツミ、タツミー!あのね、あのね、僕ね!」

「ちょっ、シエラ、落ち着け!く・・首が・・。」


シエラの、マシンガントークに付け加えがっちりと首を絞めている。


「あっ!ご・・・ゴメン。」


「タツミ、大丈夫?」

「大丈夫、大丈夫。」


(夢で、死んでたまるか。しかし、本当に苦しかったぞ?)


瀬川は、心の中で呟いた。


「タツミ!あのね、僕ね!倒したんだ!うん、大変だったんだよ!いきなり、来てね!ばぁーっと。」

「待て、待て、待て!だから、落ち着けって!話しが、無茶苦茶だぞ!」


瀬川は、興奮してマシンガントーク気味なシエラをたしなめた。



「うん。実は、エターロに竜が現れたんだ。」

「!?」

「あっ、大丈夫だよ!竜は、僕達が倒したからね!」


シエラは、驚いた瀬川に言葉を続けた。


「竜って、お前らの世界じゃあ最強なんだろう?」

「そうなんだけど、その竜は瀕死だったんだ。だから、僕らでも倒せたんだ。」


(まさか。)


瀬川は、深刻な表情をした。


「本当、あの"地竜"を瀕死まで追いやった人って誰だろう?」


会ってみたいな。

と、シエラは言った。


「・・・なぁ、その地竜てもしかして・・・右目潰れてなかった?」

「え?そうだよ?」

「・・・背中の鱗は、吹き飛んで・・・右腕も・・・無かったろ?」


シエラは、眼を開け驚いた。


「なんで、タツミが知てるの?」


(やっぱり、あいつは元の世界に戻ってたのか。)


瀬川は、確信した。


シエラは、実際に存在する。


「やっぱり、やっぱりだ!」


瀬川は、シエラを抱いた。


「タツミ・・・?」

「シエラ。お前、最初オークの討伐だったろ?」

「う、うん。」


シエラは、不思議そうに答える。


「でも、結局オークの群いなかったろ?」

「そうだよ?」


瀬川は、シエラを見つめて言った。


「来てたんだよ!こっちに!オークの群も地竜も、俺の世界に来てたんだよ!」

「タツミの・・・世界に?」


瀬川は、今までの経緯を語りだした。


別府に、オークの群が現れ自分達自衛隊が殲滅した事。


終わったと思ったら、次は地竜が出てきてそれに追われた事。


そして、迫撃により傷を負わせとどめに瀬川がLAMで右腕を吹き飛ばした事を。


「本当?・・・本当に、タツミ達がやったの?」

「証拠ならある。地竜の右目を調べろよ。俺が、当てた弾丸がある。」


シエラは、心から嬉しかった。


本当に、地竜の右目からダンガンという鉛の塊が出たらタツミがいる証拠になる。


「タツミ。本当に、タツミが現実にいるなら。僕は、タツミに会いたいよ!」

「俺も・・・。シエラ、お前に会いたい。」


二人は、お互いが目覚め別れるまで抱き合った。


お互いの存在を、確かめる様に。


上手く、できているか心配です。

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