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第69話 射殺

久しぶりの投稿です!!


なにぶん、放置ぎみだったので文もおかしいとは思いますが温かい眼でお願いします‼



即死だった。


LAMの弾頭は、ラーウィ・ドラゴンの額に命中しプローム効果により頭部内部から爆発飛散した。


翼をもがれ、もはや空へと帰れなくなった大空の天災にとってそれが良かったのだろう。


シエラ達は、唖然と最悪の悪魔が消え去るのを夢かの様に見ていた。

まるで、゛女神教゛に出てくる竜伐の女神シェラジークが持つ神槍の一撃かの様だった。


だが、瀬川達にとっては危険な生物を一匹排除しただけ。

01ATMの不意討ちに、とどめにLAMを撃っただけの話しだ。


「・・・や、やった」


湯川は、呆けながらその場に座った。


「まさか、ホントにロックオンできるとはなぁ」

「やっぱ、当てずっぽうスッか」


瀬川の一言に、渇いた笑いしか出てこない。

座り込んでいる湯川を見て、瀬川はLAVに乗っているシエラ達を確認した。


二人共、眼と口を開け前方を見ていた。

瀬川も、前を見たがそこに有るのは竜の亡骸だけ見事に顔が吹き飛んで首無しになっていた。


『な、何なんですの?あの風竜が、たった・・・二人で?』


正確に言うと、浅野を入れた三人だ。


(これが、タツミ達の・・・。魔法を一切、使っていない武器)


シエラは、夢の中で瀬川が自分達の兵器について語った時の事を思い出した。

多くの部品の集合体であり、その殺傷力や破壊力は誰にでも扱える。

勿論、訓練されていればの話だが。


『・・・凄い・・・凄いよ!タツミ!』


シエラは、外に居る瀬川を見た。

その瞳に写る瀬川は、まるで英雄の様だった。

頬が、紅く染まる。

眼が離せない、離したら夢から覚めてしまいそうだからだ。


ふっと、瀬川と眼が合ってしまった。

急に、恥ずかしくなってしまった。

すると、瀬川が外で手を振る。

何だか、可笑しくなってシエラも手を振り返した。

シエラは、幸せな気分だった。


外に出て、瀬川に触れたいと思いドアを持ったその時だった。


『タツミ!?』

「え?」

『ガアアア!!!』


血塗れの男 ビストが、大槍を突きだし襲い掛かって来たのだ。

目が血走り、獣の様な雄叫びだった。

ラーウィ・ドラゴンに、吸い込まれ死を覚悟した筈だった。

だが、生きている。


地面に打ち付けられ、身体中から激痛が走り気を失っていた。

目覚めた時、何が何なのか解らず、混乱していた。

だが、シエラが鉄の荷馬車に乗る瞬間を目撃し怒りが彼を支配した。


自分を侮辱し、殺せ無かった女。

槍を握りしめ、憎悪のみが彼を動かした。

渾身の一撃、その言葉が合っているだろう。


これならば、鉄の荷馬車すら貫けるだろう。


理性は、無い。

目の前に男が、呆然と立っていたが問題にならない。


大槍が、全てを破壊する・・・・筈だった。


『がは!?』


胸に激痛が、襲った。

目の前の男が、黒い筒を自分の顔に向けている。

次の瞬間、ビストの視界が暗くなり頭に衝撃が走った。

そして、地面に倒れ何が起こったのか解らぬまま息を引き取った。


瀬川は、倒れた男を見ながら全身の血の気が引いて行くのが解った。

男が、奇声を発しながら突っ込んで来た時は身体が自然とそうなっていた。


銃口を男に向け、安全装置を解除。

警告も、警告射撃すら瀬川はせずに引き金を引いたのだ。


身の危険を感じたのか、それとも最初から狙って撃ったのか正直覚えていなかった。


だが、撃たなければ死んでいた。

そう、正当防衛だ。


頭の中で、結論したが手が震えて構えすら解けない。


隣の湯川は、青い顔で自分を見ていた。

同じように、湯川の銃口から煙が上がっていた。

何か言いたげだが、言葉が出て来ないのだろう。


湯川は、胸部を瀬川は至近距離で顔面を撃ついや破壊したのだ。

そこに、転がって居るのは胸から血を流している顔無しの死体だけだった。


「・・・せ、瀬川士長」


言葉が、重要だ。

ここで、間違った言葉を言ってしまえばこの世界で生きられない。

瀬川は、そう感じた。


「湯川、怪我は無いか?」

「は、はい」

「良くやったよ。お前が居なかったら、殺されてたしそれに敵を倒せ無かったしな!」


笑顔で、自分が倒したと協調して言った。

事実、殺ったのは瀬川なのだからはっきり伝えれば軽くなるだろうと思ったのだ。


「い、いえ、そんなことは・・・無い・・・ッス」

「よし、じゃあ浅野の所に戻るか」


あくまで、笑顔でドアを開け乗車しようとした。


『タツミ!タツミ!』

「ぐえ!?」


その瞬間、シエラが抱き付いて来た。

しかも、両腕を見事に首に巻き付けて。


『タツミー!ダメだと思ったー!タツミ!』

「く、く、グビ!」

「瀬川士長!!ちょっ、ちょっ、お姉さん!ヤバイ、ヤバイッス!」


慌てて、湯川が止めに入るが気付かず更に力を込める。


「ぐっ、ググ!」


やっと、会えた恋人が死んだと思ってしまったのだ。

嬉しくて、見境が無くなるのは仕方がない。


『うわぁー!タツミ!』

「は、はぁなぁしぃ」

「うわぁ、青くなってる!」

『ちょっと、泡吹いてますわよ?』

「・・・・」


レイナは、LAVか出て呆れながら車輪に寄り掛かって座った。

シエラが気を取り戻した時、瀬川は完全に気を失っていた。






「これは、どうゆうことだ?」


ハリルは、目の前の光景が信じられなかった。


彼は、シエラの策通り砦を脱出し非戦闘員を安全な森に隠しすぐに援護に向かった。


その途中、空の彼方から風竜が砦の方向に飛んで行くところを目撃し絶望を感じた。

暫くして、地響きが感じた。


「ハリル様、もはやこれ以上は危険です!ハリル様!?」


部下からの静止を、振り切り森の切れ端までたどり着いたときハリルは言葉を失った。

そこには、巨大な体躯を大地に横たえ首を失った竜の姿が有ったのだ。


ハリルは、数秒で我に帰ると辺りを見回した。


「し、シエラ!何処だ?」


彼女が死んでいるとは、思えない。

この異常な状況でも、シエラなら生きていると信じていた。

ふっと、ハリルの眼に謎の鉄の塊が入った。


「シエラ!・・・む?」


そこに、シエラの姿が有ったのだ。

それと、レイナともう二人の緑のおかしな格好をした人物がいた。


レイナは、鉄の塊の傍らに力なく座っておりシエラは緑の人物の片方の首を絞めていた。

それを、もう一人が慌てて止めているようだ。


(敵か!?)

「直ちに、カーチス嬢とローズ嬢を援護する!続け!」


ハリルは、追い付き同じく呆然としている部下に命令すると手綱を強く握り馬を駆けた。

部下達も、それに続いた。





この日の出来事が後に、この世界において自衛隊はおろか日本が軍事介入と騒がれる切っ掛けとなるとは瀬川は思わなかった。











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