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第59話 武器使用

騎士達は、命令により歩を進めていた。


「ビスト将軍も、慎重な方だな」

「全くだな。五個騎士小隊で検索とは」


愚痴を言いながら、騎士達は捕虜を捕らえた場所まで来た。


いや、捕虜ではなく慰め者と亜人の餓鬼と言う認識だった。


「あ〜あ、先行隊が羨ましいぜ」

「けっ、まったくだぜ。俺らが、着いた時はもう毒でくたばってるだろうからな」


下世話な話をしながら、お楽しみ中の先行隊が見えて来た。


「な、なに!?」

「はぁあ!?」


彼らの眼には、創造していた光景では無かった。

そこには、殺された先行隊と不敵に笑う、二人が居たのだ。


「どうなって、やがる!あの女、ローエンで死にかけているんじゃなかったのか?」


赤髪の女性とエルフの少年は、自分達を確認するや逃げ出した。


「チィ!追え!兎に角、追うんだ!」


騎士達は、二人を追い掛け出した。




瀬川達は、森の奥へ向け走り出した。


「げぇ!マジで、あの子達を無視して追い掛けて来やがった!」


瀬川は、後ろを見ながら言った。


『喋るより、走る事に集中した方が良い』


前を走る、マルスが忠告した。


『アノ、どうして?ワタシらに?』


瀬川は、拙いながらも質問した。


マルスは、質問の意味を考え口を開いた。


『ああ、そうか解った。つまり、どうして目の前に居た彼女達が解らなかった・・・か』


マルスは、倒れている二人に水筒の水を掛け独り言を言った。

その後、同じ様に自分と瀬川にもそれをしたのだ。


『彼女達は、一先ず安全だ』


そして、騎士達が来てマルスが逃げる様に指示したのだ。

マルスは、不敵に笑っていたが瀬川はほぼ引き笑いだった。


『あれは、彼女達を水の魔法で隠したんだ』

「何?え〜と、手品・・・魔法って事か?」

『意味は、解らないが伝わったらしいな』


瀬川は、二人が透明人間になったと理解した。


『まぁ、すぐに解けるがな』


よって、マルスは自分達に写し見の魔法を掛け彼女達に化けたのだ。


『奴等が、巧く此方に来たんだ。満足だろ?』


皮肉を込め、瀬川に言った。


「ん?あ、ああ」


とりあえず、解らないので頷く瀬川。


(全く、護衛に良いと思ったがとんだ疫病神だったな)


たが、それでもマルスは瀬川の国に興味が有る。


二人は、枝を掻き分け全力で走った。


「ハァハァハァ、クソ!」


まだ、追い掛けて来る。

しかも、思っていたより人数が多いい。


『セガワ殿、攻撃だ!一人二人、殺せば連中は慎重になる筈だ!』

「ハァハァハァ、こ、殺す?」


確かに、マルスが言ったのは殺せだ。

瀬川は、背中に担いだ89式小銃を見た。


(これで、人を撃てってか!?)


瀬川の脳裏に、武器使用の条件が浮かんだ。


(こ、こんな時は)


自身の身の安全が急速に脅かせれた場合、警告並び警告射撃を省略し携行してある武器の使用を認める。


かつて、座学で習った。


(だ、駄目だ!まだ、生命の危機とは言えない!)


彼方は、追って来ているので有って殺すつもりが無いかもしれない。

それに、今は魔法で違う人物になっている。


彼等を撒いて、魔法が解ければ何も小銃を使う必要が無い。


『だ、ダメデス!』

『何故だ!まさか、人を殺す事を躊躇っているのか?』

『・・・ワカラナイ!ゆっくり、喋る!』


瀬川は、嘘を着いた。

本当は、マルスの言葉を理解していたのだ。


(ああ、そうだよ!頭で、言い訳してるけどそれが本心なんだよ!)


『チィ!役たたずめ!ならば、どうする?』


マルスが、悪態を着いた時だった。


『光の精霊よ。私の願いを聞き、彼の者達に盲目を与えん』


瀬川とマルスの間に、淡い光の玉が出てきた。


(ん?この光、見覚えが?)


瀬川は、通りすぎた光の玉を見ようとした。


『馬鹿!見るな!』


マルスは、瀬川に覆い被さる様に体当たりした。


「ぶあ!?」


光の玉が、弾けたと思ったら一瞬にして眩い閃光が辺りを包んだ。


『グワアア!』

『め、眼がぁ!?』

(な、何だ?閃光手榴弾か?)


にしても、音が掛けていると思っていたりした。


(あ!思い出した!あの光って、前に水族館で俺の怪我を治したヤツだ!っう事は)

「お兄ちゃん!今のうちだよ!」


聞き慣れた幼い声が、瀬川の耳に入った。


(ああ、やっぱりかぁ)


瀬川は、何故居るか解らない少女の名前を呼んだ。


「アーちゃん、何で来てるんだ?」


その問いに、アリエルは笑顔で答える。


「だって、ワタシが居ないとお兄ちゃん達が危ないんだもん!」


瀬川は、言い返せなかった。


アリエルが、助けてくれなかったら自分は人を殺す所だった。


『会話は、良いが早く逃げないとすぐに追い掛けて来るぞ!』


マルスは、起き上がって走り出した。


「しょうがなねぇ。アーちゃん!ほら、行くぞ!」


瀬川は、立ち上がりアリエルの手を掴んで走った。

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