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第58話 偵察

やっと、投稿できました!

瀬川は、その自然に感動していた。

昔、子供の頃に観たアニメ映画のシーンを思い出した。


「まさか、それ以上の物を見れるとはなぁ」


樹齢数千年だろか、そんな木々が広がっている。

射し込む日射しが一層、幻想的だ。


『瀬川殿』

「ん?『何デスカ?』


歩く事、2時間くらいでマルスに呼び止められた。


一応、瀬川が先頭を歩いている。

ずっと、会話が無かったので困っていたところだった。


『何か、臭わないか?』

「・・・に、お・・・臭いか」


試しに、嗅いでみた。

先程から、変わらない青々しく自然な匂いだったが微かに異臭を感じた。


「・・・これは・・・焦げ臭い?」


たぶん、少し遠いが何かが焼けている。

追っ手、いや例の兵団だろう。


(この道は、危ないな)


瀬川は、迂回をする為に来た道を引き返そうとした。


『待ってくれ!近付こう』


瀬川の脳内で、マルスの言葉を訳す。


「・・・ん?・・・んん!?」


間違った解釈だと思い、何度も考えてみた。

結果は、同じだ。


(え?何?こいつ、何考えてんの?)


何故、わざわざ危険だと解る武装集団に行くのか解らない。


『ダメ!』


この世界に来てから、かなり綺麗な発音だった。


『すまない。だが、どうしても確認したい事があるんだ』

「??」


瀬川は、首を傾げた。

こんな時に、もう少し語学力が有ればスムーズだろう。


マルスは、溜め息を付きながら説明した。


「なるほど、つまりそのなんたら騎士団かどうか確かめたいと」

『金獅子騎士団だ』


訂正し、マルスはある男の顔が浮かんだ。


”ビスト・ランデス将軍”だ。


クルビス帝国が始まって以来の重騎士だ。

彼が大槍を持ってば、帝国最強と呼ばれている。

それだけではなく、彼は元々傭兵だったのだ。

初陣は、弱冠15歳にして大将首を取った。

その為、百人隊長へと出世。

以後、数々の戦争で武勲を建てた。

それにより、騎士の称号を得て今では将軍だ。


マルスが、恐れているのはそんなビストの性格だった。


『奴は戦った者の一族や村をすべて虐殺する』


例え、女や子供・老人さえ容赦なく切り刻む。

そして、次の戦場を求める程の戦狂なのだ。


その血生臭い故に、2つ名が付けられた。


”鮮血のビスト”


『その彼が指揮する騎士団こそが金獅子騎士団なのだ』

「な、成る程そんなヤバイ奴なのか」


瀬川は、時間は掛かったが理解できた。

尚更、近付きたく無くなった。


『避けタイ。危なイ』


瀬川は、何とか説得をしようと思った。


『ならば、瀬川殿はここで待っていてくれ。私が、確かめて来る』


そう言うと、マルスは森の奥へと歩みだした。

マルスの後ろ姿を瀬川は、行くべきか悩んだ。


自衛官として、このまま行かせて良いのか。

何よりも、人としてどうだと葛藤が襲う。

着いていけば、斬首。

マルスの姿が、視界から外れた。


「あああ!くそ!」


瀬川は、啖呵を切り追いかけた。


「ちょっと、待てよ!」


歩き慣れない森の中を、瀬川は走った。


『やぁ。来てくれると、信じていたよ』

(ああ、ほんと嫌だなぁ)


瀬川は、すぐにマルスと合流できた。

いや、寧ろマルスは瀬川が来ると確信して待っていたのだ。


二人は、暗くなった森を警戒しながら進む。

前が瀬川、後ろにマルスという順番だ。


瀬川は、新隊員教育後期を思い出した。


五人で、班長達が待ち構える陣地を偵察していた時だ。

林の中を、緊張気味に進んでいた。


(はぁ、なんか懐かしなぁ)


瀬川は、身を低くし前進して行く。

マルスも、瀬川に習い低く行動する。


「・・・」

『・・・』


あの時も、今の様に無言だった。


遠くを見る時は、木を利用しゆっくりとした動作で確認する。


「・・・!?」

『・・・!』


瀬川が、右手を上げマルスを停止させる。

そのまま、ゆっくりと方膝を着け右手のチョツキを自分の両目を指差した後に奥を指した。

これは、手信号で”前方を見ろ”といえ意味だ。


『?・・・!』


マルスは、瀬川が指差した方向を見た。


獅子の顔を象ったフルヘイムを被っている数人の騎士が居た。


『やはり、金獅子だったか』


忌々しそうに、マルスは呟いた。

彼等が持っている槍や剣は、瀬川が知っている様な装飾品では無かった。


遠くからでも、それらの刃が欠けていたり柄が汚れているのが解る。


相当、使い込まれているのだろう。


本物の騎士。


それが、瀬川の感想だった。

たぶん、同じ武器だったら勝ち目は無い。


確認は、できたし彼方はまだ気付いていない。

できれば、このまま何事も無く接触は避けたい。


それは、マルスも同じだった。


二人は、ゆっくりと引き返そうとした。


『!!!』


女性の声が聞こえてきた。


(なんだ?誰かが捕まってる?)


瀬川は、振り返って見た。


少し遠くて解りづらいが、六人ぐらいだろうか。

二人の男が、赤髪の女性を羽交い締めにされ金髪の子供が取り抑えられている。

それを、大柄の男性が愉快に見ているようだった。


『あれは、ビスト将軍!?セガワ殿、どこへ?』

(助けないと!)


背後で、マルスが何か呟いたが瀬川は動きだした。


真正面から、行くのはまずい。

だからと言って、この場から撃っても誤射する自信が有る。


一旦、距離を取り迂回し連中を不意討ちするしかない。


それまで、彼女達が心配になったが急がば回れと言う。

兎に角、助ける事をしないと手遅れになる。


瀬川は、森の木々を隠れながら急いだ。


「な!?」


途中で、焼け焦げた家屋や死体を見てしまった。


「うっ!」


瀬川は、一気に吐き気がした。

だが、立ち止まる暇が無い。


吐瀉物を呑み込み、足を進める。

やっと、視認できる距離まで来た。


大柄の男は、居なかった。


「ハァ、ハァ、ハァ。し、死んでる!」


倒れている男性達は、喉を切られ首が有り得ない方向になっている者もいた。


(うっえ!むげぇ)


瀬川は、眼を反らしてしまう。


迂回していたとは言え、そんなに掛かっていない筈だった。


(短時間で、皆殺しかよ)


瀬川は、大柄の男性がしたと思った。

が、すぐに無いと判断した。

あの男は、どうも上官らしかった。


(じゃあ、誰が?・・・ん?)


動いた、確かに動いた。


「お、おい!大丈夫か?」


瀬川は、周りを確認せず飛び出した。


動いたのは、赤髪の女性と金髪の少年だった。


「・・・良かった。息をしてる」


少年の方は、気を失っているだけだが女性は汗が異常だった。


「おい、オイって!」


瀬川は、少年を起こそうと声を掛けた。


(ん?あれ?この子の耳・・・尖ってる?)


フアンタジーでお馴染みの種族が、浮かんだ。


『セガワ殿』

「おわ!?」


マルスの呼び声に、瀬川は飛び上がった。


『どうしたんだ?む?人間種の女性に耳ながが”一匹”か』

(耳ながって、そのままんじゃないか)


瀬川は、マルスが少年を匹と言った事に気付かなかった。


「・・・・」


瀬川は、改めて観察した。

女性は、明らかに顔色が悪い。


このまま、放置すれば危険だろう。


次に、耳なが・・・エルフの少年は傷が見当たらず気を失っているだけだった。


不意に、”ラム”を思い出した。


彼女も、エルフに違いなかった。

此方らと元の世界を、行き来できるのがエルフだとすれば瀬川は考えた。


今、この少年が自分達に必要な存在になる。


「・・・『連レて、行く』」

『瀬川殿、それは難しいだろう』

『ナゼ?』


マルスは、ため息を着き説明した。


『簡単だ。この森には、金獅子騎士団が占拠しているんだぞ。下手に、荷物を抱えると森を抜けるどころか鉄の馬車に戻る前に捕まってしまう』

「・・・じゃあ、見捨てろって言うのかよ!」


瀬川は、怒鳴ったがマルスに日本語が解る筈は無い。


しかし、意味は通じたのかマルスはもう一度ため息を着いた。


『甘い事を・・・仕方がな』


マルスが、諦め手伝おうとした時だった。


『!!!!』


すぐ近くから、声が聞こえてきた。

しかも、複数だ。


「チィ!なんか、来やがったな!早く、運ぼう!」


瀬川は、エルフの少年を担ごうとした。


『待て』


マルスが、瀬川の腕を掴んだ。


「なんだよ!」


まだ、二人を見捨てるのかと苛立った。


『このまま、二人を連れて行くと確実に捕まってしまうぞ』


瀬川の理解力では、”連れて”と”捕まる”しか解らなかった。


「ああ?要するに、見殺しだろうが!」


だが、十分に推測できた。

瀬川は、マルスを睨んだ。


「手、・・・放せよ。『一人だけデ、抱エて行ク!』」

『無駄だな』

「うるさい!ほっとけよ!」


瀬川は、腕を振り払った。

子供と女性なら、一人でも抱えるくらいできる筈。


『・・・瀬川殿』

「なんだよ!まだ、邪魔するのかよ!」


瀬川が、マルスを睨んだ。

だが、マルスは気にもとめない様だった。


『・・・走りは、得意か?』

「・・・は?何て?」


瀬川は、首を捻った。



毎度、お馴染みの駄文ですがここまで読んでくれて感謝します

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